《岩本勉のガン流F論》野球人の胸をも打つ〝マツゴー〟
■パ・リーグ14回戦 ソフトバンク5-2日本ハム(7月29日、エスコンフィールド北海道)
ホークスがいい野球をした
首位攻防3連戦の初戦。日本ハムは敗れた。一言、ホークスがいい野球をした。そこに尽きる。立ち上がりのホームラン。決して調子が良くなかったモイネロの踏ん張り。主砲の勝ち越し3ラン。しかも複数点を奪い取った。
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痛かった七回の1失点
最も大きかったのが七回だろう。1-4から、ザバラが与えた1点だ。3点差と4点差では雲泥の差だ。中継ぎ陣にゆとりを与えた。九回もそうだ。抑えの杉山が1点を失い、なおも2人の走者を背負って清宮幸を打席に迎えた。一発で同点と一発でサヨナラでは心の持ちようが全然、違う。
勝負の分かれ目となったのは…
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勝負の分かれ目を探るならば、1-4の五回だった。2死一、三塁でレイエスが打席に入った。1、2打席目でストレートを打って2安打していた。今のレイエスに対して直球勝負は怖い。ましてや得意のエスコン。ホームスタジアムでの打ち方を熟知している。その上で、裏をかき、痛打されていたのが1、2打席目。だが、3打席目。捕手の海野はしっかりと切り替え、追い込んで低めの変化球を振らせた。この割り切りが大きかった。八回の第4打席も、レイエスのバットは変化球に空を切った。
次はファイターズの番
ゲーム差なしながら、順位は入れ替わった。ただ、悲観する必要はないし、そうなっていないだろう。追われる立場の方がきつい。試合前、日本ハムはどうしたって、受けて立つ感じになってしまっていた。次戦からは違う。まだまだ直接対決は残っているし、今度はファイターズがいい野球をすれば良いのだ。
強さを感じたベテランの目
ファンは当然のこと、野球人の胸も打ったのが松本剛だった。ベテランにさしかかった31歳。1軍復帰して即、スタメンに名を連ねた。球場に立っている姿を見た時、獲物を狙うかのような目をしていた。強さを感じた。投手に対して「マウンドさばき」というフレーズをよく使う。松本剛の「バッターボックスさばき」は、まさに絶好調な振る舞いそのものだった。2安打は当然のこと、四球も選び、凡打の内容も良かった。
きれいな〝マツゴー〟は見たくない
彼の復帰はチームにとって、これ以上ない起爆剤だ。一言だけ、OBでもある50過ぎのおっちゃんから言いたい。なりふり構ってる暇はないで! きれいな〝マツゴー〟は見たくない。泥臭くていい、常に獲物を狙う野人でいてや! さあ、勝負はここからや!