《岩本勉のガン流F論》かつての苦い記憶は今の日本ハムには無縁 優勝のカギを握るあの3人
貯金21の首位で後半戦を迎える日本ハム
いよいよ後半戦が始まる。日本ハムは貯金21の首位で前半戦を終えた。めちゃめちゃ調子は良い。ただ、不気味なのがホークスだ。こんなにファイターズが貯金を積み重ねても、わずか2ゲーム差。タカの爪が引っかかっている状態にある。直接対決ではここまで6勝7敗と、パ・リーグチームで唯一、負け越している。
ソフトバンクとの直接対決がペナントの行方を左右
この2チームが中心となって優勝争いが展開していくだろう。オリックスや西武と、まだまだ力のあるチームもいる。ただ、ホークスとの直接対決が今後の行方を大きく左右するのは明白だ。
強化指定3羽ガラス
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カギになるのは清宮、万波、野村。かつての〝強化指定3羽ガラス〟だ。今やチームの核をなす3人。周囲の成績をも左右する存在になっている。彼らに引っ張られ、レイエスや水谷、郡司といったプレーヤーが状態を上げ、打線を強力なものにする。
自信を確信にしてもらいたい田中正義
投手陣では「抑え」。現在、柳川が務めている。実に頼もしいのだが、まだまだ経験の浅い高卒4年目。このままの調子を保ったままシーズンを終えることは、条件としては出来すぎだろう。
調子しかり、成績しかり。柳川に事が起こった時、その場を任せられるのはジャスティス。田中正義しかいない。セットアッパーに配置転換され、意気揚々と本領を発揮できている。その自信を、より強固なものにし、有事に備えてもらいたい。
まさかの大失速 忘れられない2シーズン
苦い経験がある。1996年。日本ハムは7月を終えて首位。2位のオリックスに4ゲームの差をつけた。そこから逆転され、結局は7ゲーム差をつけられた。98年は8月終了時点で2位の近鉄と3ゲーム差。3位の西武とは3.5ゲーム差あった。それが終わってみれば、西武が逆転V。一時、10ゲーム差以上引き離していた相手にひっくり返された。
何が起こるか分からないのがペナントレース。長嶋さんが口にしたメイクドラマというフレーズも有名だ。96年と98年。投打がかみ合わず、チームにはどんどん焦りが生まれた。うまく試合を運べないことで、イライラが募り、首脳陣が言い争う姿も目にした。
バリエーション豊富な新庄ファイターズ
だが、あの頃と今のファイターズは違う。メンバーこそある程度、固定されてはいるが、打順においてはバリエーションが豊富。次々と新たな手を打てるので、悪循環に陥りづらい。
3シーズンという時間をかけて新庄監督がつくり上げてきた日本ハムには、まだまだ多くの引き出しが残っている。最後の最後にタカの爪を振り払い、力強く優勝のゴールテープを切ってもらいたい。