《岩本勉のガン流F論》似合ってるで! 北山の快投で思い出した小島球団社長の言葉
■パ・リーグ16回戦 西武0-4日本ハム(8月6日、エスコンフィールド北海道)
リズムが良かった北山のピッチング
北山が圧倒的なピッチングを見せてくれた。ボール一つ一つはもちろんのこと、実にリズムが良かった。バッターに考えさせる時間を与えない。八回にヒットと2四死球で満塁となったのだが、ここもしのいだ。遅かれ早かれ、訪れるだろうと思っていたピンチ。ここを乗り切ったのは大きかった。
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V争いの真っただ中 当然の継投策
九回のマウンドは柳川に譲った。継投は当然の策だろう。これが4、5月なら完投も選択肢に入っていたはずだ。今や激しい優勝争いの真っただ中。チームとして石橋を叩いて渡るタイミングに入っている。北山の状態が問題ではない。八回にアクションを起こされた後の4巡目。新たな投手にスイッチするのは当然だろう。
なじんでいった背番号15
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背番号が「57」から「15」に〝昇格〟した。背番号15で迎える初のマウンド。プレッシャーはあっただろう。この新たな番号を自分のラッキーナンバーにできるかどうか。ダメだった場合、どうしても背番号に嫌なイメージを持ってしまうかもしれない。その重圧を自らの結果で振り払った。しかと見届けたで! 背番号15が体になじんでいく瞬間を!
小島球団社長 「おまえも考えてみろ」
私も経験がある。振り出しは「20」、プロ4年目に「38」となった。「38」も決して悪い番号じゃない。でも「20」からの「38」。〝降格感〟は否めなかった。1995年に初めて規定投球回をクリア。その年の秋季キャンプ。当時、球団社長だった小島さんに直訴した。「背番号18をください」と。すると、小島社長は言った。「日本のプロ野球における背番号18の意味を知ってるか。俺も考えるから、おまえも考えてみろ」と。
忘れられない契約更改での言葉
小島さんは最初から18を与えてくれる思いだったのだろう。それでも「18の重み」を再度、考え直す時間を与えてくれた。結果、その年の契約更改で、背番号の変更が決定した。私は「必ず結果を出します」と宣言した。
そして迎えた96年、背番号18で初めて2桁10勝をマークした。その年のオフ、小島社長に言われた。「有言実行、大したもんだ」。その言葉は忘れられない。決して言葉が多い方ではなかった。ただ、一言一言が温かかった。今でも交流させていただいている。
先輩方から愛あるイジりも
先輩方の言葉もありがたかった。38から18に変更となったからなのだが、渡辺浩司さんや西崎幸広さん、田村藤夫さんはよく言っていた。「嘘のサンパチ(38)からイチがバチかの18になったなぁ」と。それでも決まって最後には「18番。ガンちゃんによく合ってるよ」と言葉をかけてくれた。
背番号は野球選手にとって特別なもの。北山っ、15番がよく似合ってるで!