《鶴岡慎也のツルのひと声》2点差くらいならひっくり返される。ホークスにそう思わせた
■パ・リーグ16回戦 ソフトバンク5-4日本ハム(7月31日、エスコンフィールド北海道)
逃してくれなかったホークス打線
まずは達に触れたい。状態は良くもなく悪くもなく。ただ、ホークス打線が逃してくれなかったというところに尽きる。これまではフォークボールのミスもいいアクセントになるシーンもあった。だが、優勝を争う強力打線のソフトバンク。そうはさせなかった。
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勝負球はあくまでも直球とフォーク
一回、ダウンズがいきなり、そのフォークを叩き、左翼線二塁打にした。これで達は構えてしまった。カットボールやスライダーのような曲がり球を勝負球に使いたくなる。ありがちなことではあるのだが、達の決め球はあくまでもストレートであり、フォーク。ほかの球に、この2球種ほどの強さは、まだない。バッターによっては捉えられ、または見逃されるシーンもあった。達に言いたい。やはり、直球とフォーク。この2つを磨き続けてもらいたい。
チーム力は全くの互角 むしろ…
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さて、ファイターズは首位攻防3連戦に負け越した。ただ、悲観する必要はない。どんなチームにも最高の状態を迎えるタイミングはある。ホークスはまさに今がその時。そのホークスを相手に、前日は連勝を「9」でストップさせた。この日も、最後の最後まで粘りを見せた。チーム力は全くの互角と言っていい。
むしろ、主力に若い選手が多い日本ハムは成長の伸びしろを多く含んでいる。選手は今、激しい優勝争いの真っただ中にいる。1つのゲームで味わう疲れは、メンタル的にも肉体的にも、春先の2~3試合分に相当するだろう。集中力が違う。ただ、こういう試合でこそ、うまくなる。1球の配球ミスが敗戦に直結する。神経を張り詰めながらサインを出した経験を、私も思い出した。
実に面白い今季の優勝争い
もう8月に入る。プレッシャーはもっともっと増していく。9月になれば、さらに。それだけ、日本ハムとソフトバンクの2チームは紙一重の試合をしている。最後の最後まで勝負の行方は分からない。今季のパ・リーグは実に面白い。と同時に、この3連戦で、2点差くらいならひっくり返される。ホークスにそう思わせたのも事実だ。