北海学園大の153キロ右腕・高谷舟の進路はプロ1本【札幌6大学野球】
九回2死から救援登板した北海学園大の高谷=撮影・西川薫
■札幌6大学野球秋季リーグ戦(8月25日、札幌・モエレ沼)
▽第1節第1日 北海学園大(1勝)4-3札幌国際大(1敗)

プロ注2人の継投で1点差逃げ切り
6月の全日本大学野球選手権で46年ぶりに8強入りした北海学園大は、プロ注目投手の継投で初昇格の札幌国際大に4-3と逃げ切り勝ちした。先発したエース左腕・木村駿太(4年、札幌国際情報)が1点差に迫られた九回2死一塁の場面で、最速153キロの高谷舟(4年、札幌日大高)が救援。二ゴロに打ち取り白星発進した。高谷はプロ志望。関東の社会人強豪チームからも声がかかっていたが、進路をプロ1本に絞り、最後のシーズンを戦い抜く。
「正直投げないと思って」いたが3球でゲームセット
スクランブル登板もなんの。NPB9球団のスカウトの前で、初球にいきなり150キロをマークすると、3球でゲームセット。「とりあえず安心しました。明日のこともあったので、正直投げないと思って。(木村が)1人で投げると思っていたので、明日の調整みたいな感じで投げていたら、呼ばれた。廊下で気持ちをつくって投げました」。下級生の頃から先発も救援も経験済み。最後はフル回転でチームを支える決意だ。
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伸びのある速球と、スイーパーのように大きく曲がるスライダーなど七色の変化球を操り、NPB複数球団が注目している。8強入りした6月の全日本選手権では、3試合全て救援登板。準々決勝の青山学院大戦では、0-2の七回無死一塁から登板したが、プロ注目の小田康一郎(4年)に2ランを浴びるなど3回2失点。ヤクルトが本拠地にする硬いマウンドで、踏み込んだ時に上半身が反ってしまい、球が高めに浮く課題が残った。
6月の全日本選手権準々決勝で七回1死一塁、2点本塁打を浴びる高谷
更新する気でトレーニングしているので…
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「足を着く時に、股関節を引き込む動作のトレーニングを多めに入れて。あと球速が出る要因のひとつ、捻転差が大きすぎると(上半身が)ついてこないで抜けてしまう」。帰道後は、プロ仕様のマウンドで浮き彫りになった課題と向き合ってきた。「いまは80点ぐらい。フォーム的にはいいんですけど、あとは再現性や出力の部分。最速153キロを更新する気でトレーニングしているので、更新はできる」。春よりも進化した姿をマウンドで披露する。
エスコンで日本ハム2軍と対戦「怖かったです」
自らが目指す世界のレベルを直接体感した。8月15日に北広島のエスコンフィールド北海道で行われた、日本ハム2軍と北海道社会人&大学選抜のプロアマ交流戦で、八回から登板。上川畑、浅間、今川ら1軍経験のあるメンバーと対戦。「すごかったです。怖かったです」と迫力に押しつぶされそうになったが、2回を投げ被安打1、無失点。「変化球や真っすぐを捉えられていたが、抑えることはできていたので、自分の中でも自信がありますし、通用すると思った」。並み居る強力打線を相手に、手応えをつかんだ。
8月15日のプロアマ交流戦で八回に登板した高谷
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6月の全日本選手権前に、自らの進路について大きな決断を下した。島崎圭介監督(54)とも相談の末、プロ1本に決めた。「あまり良いことではないんですけど、社会人で野球をやることにモチベーションがなくて。野球をやっている以上はプロに行きたい。プロがダメで、もし社会人となっても、2年後にプロに行って。2年でダメだったら、そこで働きたいという気持ちもそんなにないので、できるときに勝負したい。早めに行ければ、行きたいです」。退路を断って、ラストシーズンに全てを懸ける。