北海のエース・浅水結翔 甲子園行きを逃した妹の無念も背負って頂点を目指す
道庁を訪れ、夏の甲子園での活躍を誓った北海の浅水(2列目左)=撮影・富田茂樹
激闘から1週間 いよいよ戦闘モードへ
北海の背番号1・浅水結翔投手(3年)が、来たる聖地での登板を心待ちにしている。
南北海道大会での激闘を制してからおよそ1週間。「最初は終わって、うれしい気持ちもあったんですけど、うれしいままでいたら甲子園に行っても勝てないので、みんな甲子園に向けて引き締めてやれていると思います」。すでにナインの気持ちは甲子園に向いている。
灼熱のマウンドを想定
疲労も抜けて、練習の強度も高まっている。北海道も暑さに見舞われたこともあり、特別な酷暑対策はしていないというが「ピッチャーはずっと長袖で練習してます」。一段暑くなる聖地のマウンドでの登板に向けて、準備は怠らない。
南北海道大会ファイナルでの快投を再び!
浅水にとっても甲子園のマウンドは憧れの場所だ。「みんなにとって夢の場所なので、立ちたいというのはあるんですけど、変に考えすぎずに、いつも通りのピッチングができれば」
さっそうとマウンドに上がって、テンポ良く打者を料理していく。思い返すのは南北海道大会の決勝戦だ。久しぶりの先発マウンドでも動じることなく、結果は111球の完封劇。大舞台でも同じ姿を示すことができれば、おのずと勝機は巡ってくるはずだ。
7月20日の南北海道大会決勝・札幌日大高戦で力投する北海・浅水
センバツV校との対戦を熱望
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
強豪校が集う甲子園の舞台で戦いたい相手がいる。浅水は昨春のセンバツを制した「健大高崎」とキッパリ。同校のエース・石垣元気投手(3年)とは小学3年時に選抜チームで一緒になった。その縁で、加藤大成主将(3年)とも親交がある。
「結構、知り合いが多いので、やってみたいです」。今夏の優勝候補に挙げられる相手でも臆することなく、立ち向かっていく覚悟はできている。

頼れるお兄ちゃんが聖地で躍動!
また、妹の思いも背負って戦う。神戸弘陵に進学した妹の梨来(りら)投手(1年)が全国高校女子硬式野球選手権を戦っていたが、27日の準決勝で岐阜一に0-1と惜敗した。甲子園で行われる決勝戦へと進めず、W出場はかなわなかった。「約束を果たせなくてごめん」。試合後に、そう連絡があった。ただ、浅水は1年生ながら指名打者としてスタメンを張っていた妹をたたえるメッセージを送った。「1年生から出られていることはすごいところだし、まだこれからもあるんだから頑張れ。勝てなかった分、自分が勝つから応援頼むわ」
妹の無念を胸に、次は自分の夢をかなえにいく。2016年以来となる決勝進出、そして日本一へ。エース・浅水が聖地のマウンドに全てをぶつける。