北海のエース・浅水結翔が3安打完封! 兄妹のW甲子園へ、まずは兄が決めた【南北海道大会】
南大会優勝を決めてガッツポーズする北海の浅水=撮影・松本奈央
■全国高校野球選手権南北海道大会最終日(7月20日、エスコンフィールド北海道)
▽決勝 札幌日大高0-7北海
変速左腕が鮮やかな完封劇を披露
111球、鮮やかな完封劇だった。7点リードの九回2死。北海のエース・浅水結翔投手(3年)がスライダーで相手打者に空を切らせ、優勝を決めた。札幌日大高の先発・窪田洋祐投手(3年)は最速148キロの直球で押し込んでいたが、変速左腕の浅水は対照的に130キロ前後の直球と変化球を織り交ぜながら、小気味良い投球を披露した。札幌日大高打線を四回まで無安打に封じるなど、散発の3安打完封勝利。「一言でうれしいです」。喜びの声はシンプルなものだった。
試合終了後のあいさつを終え、札幌日大高の窪田(右)と健闘をたたえ合う北海の浅水
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試合の入り方は救援時と同じく
リリーフ時にも見せていた、試合にすんなりと入る能力はこの日も変わらなかった。久しぶりの先発マウンドにも動じることなく、一回は先頭打者から三振を奪うなど、わずか12球で3者凡退。「緊張して最初ちょっと不安もあったんですけど、イニングを重ねるごとに大丈夫かなって感じになりました」。流れに乗った浅水はスイスイと試合を進め、最後までスコアボードに「0」を刻んでみせた。
昨夏の敗戦時に先発していた浅水 平川監督「最後を託せた」
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今大会は札幌支部予選から通じて、全てリリーフ登板だった。「途中から行くのが好き」(浅水)。そんな適正もあり、浅水が締めるのがここまでの定石だった。しかし、平川敦監督(54)は、準決勝まで4試合に登板し16回⅓2失点(自責1)、防御率0.55という浅水の調子の良さに懸けた。さらに、夏の大会には因縁もあった。昨夏も背番号1を背負った浅水は、南北海道大会初戦で先発するも、2回⅓5失点でKOされた。「この1年、長いようで短くて、冬もどの学校よりも頑張ってきたので、それがこの成果につながったと思います」。その〝リベンジ起用〟に最高の結果で応えた。
九回のマウンドで力投する北海の浅水
平川監督は浅水を先発起用した背景をこう説明した。「前の3年生のチームはずっと勝っていたチーム。それが終わっちゃった時の先発が浅水ということもあったし、新チームが始動した時のきっかけになった試合の先発だったので、最後を託せた。一番調子が良いということも考えて、行けるところまで行こうと」。
妹・梨来との約束
自らの快投で甲子園への切符を手に入れた。神戸弘陵に進学した妹・梨来(りら)投手(1年)とは、ある約束を交わしていた。全国高校女子硬式野球選手権の決勝は8月2日に甲子園で行われることもあり、互いに聖地を踏む誓いを立てていた。神戸弘陵はあす21日、初戦に臨む。「絶対勝って決勝まで来てもらいたいなと思います」。先に甲子園行きを決めた兄は、妹へエールを送った。浅水兄妹の夏は、ここからが本番だ。
九回のマウンドに上がり、呼吸を整える北海の浅水
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