高校野球
2022/08/30 23:00

奥尻島2人目のプロ野球選手へ 知内高・坂本プロ志望届提出

プロ志望届を提出した知内高の坂本。7月の南北海道大会でも存在感を示した

 今夏の高校野球南北海道大会で準優勝した知内の最速147キロ左腕・坂本拓己投手(3年)が30日、プロ志望届を提出した。同校から志望届を提出する選手は初めて。指名されれば、奥尻町出身選手としては奥尻中の先輩で、函有斗高から日大を経てドラフト1位で阪急入りした佐藤義則さん(67)以来、高校生の指名では初のプロ入りとなる。10月20日のプロ野球ドラフト会議では12球団歓迎の姿勢で指名を待つ。

「島の方の期待に応えたい」

 大安に合わせて志望届を提出した坂本。お盆に島へ帰省した際、「頑張って(プロへ)いってくれ」と声をかけられたといい、「島の方の期待に応えたい。島から2人目のプロ野球選手になりたい」と、島民約2400人の夢も背負う。

 〝プロ1号〟の佐藤氏は、40歳でノーヒットノーランを達成するなど、44歳で引退するまでに165勝。坂本自身は、幼少期に行われた野球教室で遠目に見たことがあるだけで、直接の面識はない。しかし、坂本が奥尻中時代に島内にある佐藤氏の資料館を訪問。「ユニホームや写真が飾ってあって、かっこいいな」と憧れた。「自分も長く野球を続けられるようになりたい」と、自らの理想像に重ね合わせる。

 指名されれば、同校からは初のプロ野球選手の誕生だ。入学時の球速は117キロで制球力もなかったが、吉川英昭監督(46)指導の下、2年余りで30キロもアップした。82キロの体重をさらに3、4キロ増やすためにトレーニングを継続中。坂本は「小さいころからの夢に少しずつ近づいている」。離島のエースが、吉報を心待ちにする。

■プロフィール

 坂本 拓己 (さかもと・たくみ) 2004年7月6日、奥尻町生まれ。奥尻青苗小1年時に青苗スカイバードで競技を始める。奥尻中3年時は、上ノ国中との連合チームでプレー。知内では1年秋にベンチ入り。夏は準決勝まで3試合連続完投。決勝でも先発したが、7回5失点で途中降板した。180センチ、82キロ。左投げ左打ち。家族は両親と兄、姉。

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