高校野球
2022/07/13 23:00

インスタ活用で選手4人→16人 休部危機だった釧明輝が北北海道大会初勝利目指す

支部の代表決定戦で231球を投げ抜いた釧明輝のエース松尾(右)が、旭川スタルヒン球場のマウンドの感触を確かめる(撮影・西川薫)

北北海道大会14日開幕

 全国高校野球選手権北北海道大会が14日に旭川スタルヒン球場で開幕する。13日には公式練習が行われた。4年ぶり4度目出場の釧明輝は、開幕試合で2季連続甲子園を狙うクラークと対戦する。関谷健一郎監督(30)が就任した2019年秋は部員が減少し、わずか4人。創部以来初めて連合チームで戦っていた。そこからSNSなども活用して部員を確保。今回は3季通じて7度目の道大会で念願の初勝利を目指す。

開幕戦で強敵・クラークと激突

 釧明輝の現メンバーは初めてスタルヒン球場で体を動かした。普段の練習から上着を着たままウオーミングアップをするなど暑さ対策をしてきたが、関谷監督は「暑すぎて、相手がクラークさんだというのが抜けかけている」と苦笑いした。

 速球派投手の攻略には打撃マシンを前に出して目を慣らしてきた。「釧根支部にはいないような速い球を投げる。いきなり長打、長打は無理。ファウルで粘って、塁に出られれば。あしたの試合の終盤に形になっていればいい」と、強豪に食らいついていくつもりだ。

 エースは松尾颯馬投手(3年)。支部代表決定戦では春の代表・釧工に、延長十三回タイブレークの末に勝利し、231球を投げ抜いた鉄腕だ。高校入学後に投手に転向した右腕に指揮官は「どんどん強い相手と戦えて勝てるようになってきた。元々能力がある」と伸びしろに期待を込めた。

 監督就任時、部員は4人だった。当時は6校連合で大会に出場。「公立校なので、中学校に訪問に行くわけにはいかない」と、翌春から野球部のインスタグラムを立ち上げ、日々の練習動画を配信。「それを見てくれる中学生が増えて、興味をもってもらえた」。今年は選手16人、マネジャー7人と復活を遂げた。

関谷監督「学校の歴史として1勝したい」

 過去6度の道大会に挑んではね返されてきた。「一度、連合になって、イチから立て直したチーム。みんなでつくってきたので、今の学校の歴史として1勝したい」。休部の危機を脱したチームが、〝明るく輝く〟初勝利をつかみ取る。

旭明成 機動力野球で頂点目指す

 旭明成は3年ぶり4度目の出場。北大会出場16校中、支部予選で唯一の2桁盗塁をマークした機動力野球で勝ち上がりを目指す。千葉広規監督(44)は「相手バッテリー次第だが、チャンスがあれば仕掛けていきたい」。打順は走力のある選手を1番から3番まで並べるが、主軸も引けを取らない。毎日一度、10メートル走を測定。走塁に高い意識を持たせ、常に次の塁を狙う。甲子園につながる夏と秋は8強が最高。壁を打ち破り、頂点を目指す。

稚内大谷 投手の二枚看板に自信

 稚内大谷が帯大谷との〝大谷対決〟に挑む。春のエース・高橋采人投手(3年)は全道大会の東海大札幌高戦で打球を顔面に受け、右眼底骨と鼻骨を骨折。すぐに手術を受け、現在は完治した。夏の支部では背番号18を付け、2試合に救援登板。本間敬三監督(38)は「よく復活した。(背番号1の)荒木も自信を付けた。どっちが1番でもふさわしい」。まさに、けがの功名を経て成長した二枚看板で、名寄支部悲願の聖地へ突き進む。

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