高梨沙羅「感謝の気持ち」と涙 新種目の女子個人ラージヒル 道勢は入賞ならず【ミラノ・コルティナ五輪】
取材中に涙を流す高梨。スキー板で顔を覆うもあふれる涙がこぼれた=撮影・金田翔
ノーマルヒル銅メダルの丸山は8位
【ミラノ共同】ミラノ・コルティナ冬季五輪第10日の15日、新種目のノルディックスキー・ジャンプ女子個人ラージヒル(ヒルサイズ=HS141メートル)で、丸山希(27、北野建設)は128メートル、125メートルの257点で8位だった。個人ノーマルヒルと混合団体の「銅」に続くメダル獲得はならず。ノーマルヒル金のストレム(ノルウェー)が130.5メートル、132メートルの284.8点で制し、2冠に輝いた。
2位はクバンダル(ノルウェー)で、3位はN・プレブツ(スロベニア)。伊藤有希(土屋ホーム)は236.9点で14位、勢藤優花(オカモトグループ)は235.2点で15位、高梨沙羅(クラレ)は234.5点で16位だった。(共同)
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2回目の飛躍を終え、笑顔を見せる丸山(左から2人目)
高梨が流した涙の理由
4度目の冬季五輪を終え、高梨の頰を涙が伝った。16位にとどまった悔しさが理由ではない。あふれてきたのは、支えてくれた周囲への「感謝の気持ち」だった。
高梨の1回目の飛躍
北京五輪の混合団体でスーツの規定違反による失格となった後は、自分を責め続け、競技を続けることが許されないとすら感じた。引退も考え「この舞台に戻ってくることは想像もできなかった」という。
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今回は「自分の力以上のものが…」 仲間やファンの存在を力に
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それでも仲間や「力をもらった」と言ってくれるファンの存在があったからこそ立ち直れた。今回は「自分の力以上のものが乗っかっているような感覚で飛べた」と実感を込める。因縁の混合団体で銅メダルをつかみ「戻って来て良かった」と感慨に浸った。
この日は風の条件に恵まれなかった1回目の失速が響いて不本意な結果に。しかしワールドカップ(W杯)で男女通じて最多の通算63勝を誇る高梨が上位に絡めない現実は、女子の隆盛とレベル向上の証しでもある。
2回目の飛躍を終えた高梨
2014年ソチ五輪に個人1種目で初採用された女子は今回、個人が2種目に増え、混合団体も実施。選手として黎明期に活躍して女子の礎を築いた山田いずみさん(47)らに感謝し「先輩たちが引っ張ってきてくれて、自分がその舞台に立てた」と口にした。
「次の五輪のイメージは全く湧いていない」と、まだ4年後のことは考えていないという。それでも「まだ頑張り続けたい。飛ぶことで何かを与えられる存在になりたい」。恩返しのため、飛び続ける。
伊藤〝葛西流〟は奏功せず
前日までの公式練習で130メートル台の好飛躍を何度も繰り出していた伊藤は「頭で考えず、体に染みついたジャンプを」と、師匠の葛西紀明(土屋ホーム)がよくやるように、あえて試技は飛ばず1回目に臨んだ。119.5メートルと伸ばせず上位争いに加われなかったが「自分の選択には後悔していない」と話した。
31歳で臨んだ4度目の五輪でも初のメダルには届かず。それでも「今までの経験と、私に携わってくれた方々、全てが自分にとって金メダルより大切」としみじみ語る。今後については「終わったばかりなので、気持ちの整理をしてから」と話すにとどめた。
ファンと交流しながら笑顔で会場を引き揚げる伊藤
勢藤は涙止まらず
3度目の五輪を終えた勢藤は涙が止まらなかった。イタリア入り後は不安定な精神状態が続いていたと明かした。この日はようやく自分の飛躍に向き合えたそうで「ベストのジャンプではなかったが、最近の中では落ち着いて飛べた」と言葉を絞り出した。
前回北京大会後は現役引退も考えたが、五輪やW杯での表彰台の夢を諦め切れず、再び歩んできた4年間だった。「悔しい五輪ではあったが、目指して良かった」ときっぱりと言った。
2回目を終え、掲示板を見つめる勢藤
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