高校野球
2021/09/20 12:08

旭実 鈴木の執念V弾で全道切符

5―5の六回に勝ち越しのソロ本塁打を放ち、ホームに生還する旭実の鈴木(撮影・島山知房)

 ■秋季全道高校野球支部大会(19日、旭川スタルヒンほか)

 7支部で11試合が行われた。旭川支部では代表決定戦2試合が行われ、昨秋の全道大会で準優勝した旭実が10―6で旭西に勝利。8番・鈴木恋斗捕手(2年)が決勝弾を含む4安打の活躍で、打線をけん引した。旭明成は8―3で旭東を下し、3年ぶり5度目の道大会進出を決めた。

 旭実が苦しみながらも、道大会の切符を手にした。最大4点あったリードも五回を終えると、5―5。試合は振り出しに戻された。追いつかれた直後の六回。鈴木が「執念」の一打で、相手に傾きかけた流れを断ち切った。
 無死走者なし。先頭打者で「とにかく塁に出よう」と打席へ。カウント1―2からの4球目。真ん中のチェンジアップを捉え、左翼芝生席に運んだ。柵越えを確認すると右拳を突き上げ、ダイヤモンドを一周した。
 公式戦初本塁打に「きょう以外はみんなに助けてもらっていた。打てて良かった」とほおを緩ませた。チームはその後も加点。粘る旭西を振り切った。
 夏の北北海道大会は延長十三回の末に1回戦で敗退。新チームの練習試合でも終盤に競り負けることが多かった。そこで、劣勢の場面を想定した打撃練習に着手。「(後半の)4回で5点を取って逆転する」をテーマにしたシート打撃を繰り返し、試合終盤の粘り強さを磨いてきた。
 その練習通り、この日は後半で5得点。岡本監督は「こういう展開になることは覚悟していた。よく頑張り、粘って勝ってくれた」と選手を褒めたたえた。
 昨秋は道大会で決勝に進むも0―1で敗れ、惜しくも準優勝。あと一歩のところで選抜甲子園出場を逃した。鈴木は「全道も厳しい戦いになる。一戦必勝で頑張りたい」。2年生全員の帽子に記された「執念」を体現するプレーで、北海道の頂点を目指す。(島山知房)

 ■河瀬の決勝打で旭明成3年ぶり道大会へ

 旭明成の6番・河瀬晴翔一塁手(1年)が決勝打を放った。0―0で迎えた四回。2死二塁の好機で打席に入ると、狙い球のカーブに対し、持ち味のフルスイング。中前にはじき返し、先制点をもぎ取った。
 夏の大会からスタメンに名を連ね、旭川支部予選の旭実戦では6番・一塁で先発出場した。しかし、相手の150キロ右腕・田中楓基投手(3年)を前に2打数2三振。レベルの違いを痛感した。「上半身に力が入ってしまっていたので、下半身で打ちにいく」ように打撃フォームを修正。速球や鋭い変化球にも対応できるようになった。
 3年ぶりに出場の道大会に向け「いろんな試合に出させてもらっているので、その経験を生かして全道でもヒットをたくさん打ちたい」。まずは同校過去最高の2勝を目指し、自らのバットでチームを勝利に導く。

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