エース高木美帆 全てを注ぐ本命1500メートル 未到の頂点へ【ミラノ・コルティナ五輪】
調整するスピードスケート女子の高木美帆(左)。右はヨハン・デビット・コーチ=共同
「強い気持ちで勝ちに行く」
【ミラノ共同】エースの戦いはいよいよクライマックスを迎える。スピードスケート女子の高木美帆(31)=TOKIOインカラミ、帯広南商高出=が20日(日本時間21日未明)、ミラノ・コルティナ冬季五輪の1500メートルに臨む。今大会の自身の最終レースは全てを注いできた本命種目。「強い気持ちで勝ちに行く」と、未到の頂点を真っすぐに見つめる。
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前回北京五輪の1500メートルの記憶は鮮明だ。序盤から動きが硬く、本来のしなやかさがない。ヨハン・デビット・コーチ(46)が新型コロナウイルス感染で不在の影響も感じさせ、先に滑り終えた姉の高木菜那さん(33)は「あぁ…という感じだった」と述懐する。
結果は2大会連続の2位。開幕前のワールドカップ(W杯)から絶好調で優勝候補筆頭だっただけに、「私も、見ている人も苦しくなるレースだった」と悔やんだ。数々の栄冠を手にし、引退を予想する声も少なくなかった。だが数カ月後、現役続行を表明した。
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自らスポンサー探しに奔走した行動力
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翌春には五輪の1500メートル制覇を目指すと宣言し、チームを結成。自らスポンサー探しに汗をかき、レベルの高い練習を求めて男子中距離の有力海外勢を加える。現役選手の枠を超えた行動に思いの強さがにじんだ。

貯蓄を取り崩してチームづくり
今や6人の仲間を得たチームづくりの過程では貯蓄を取り崩し、スタッフの生活を背負う重圧に悩んだ時期もある。今大会三つ目の銅メダルを手にした17日の団体追い抜き後は「どんなにしんどくても、自分の気持ちをつないだのは1500メートルの存在だった」と大一番へ胸を高鳴らせた。
第一人者にとって、今回が4度目の五輪。滑りの内容を重視してきた求道者のレースへの意識は過去と違う。「ここまできたのだから絶対につかみ取る」。結果を求め、勝負師として氷に立つ。
女子1500のみどころ 本命種目の鍵は中間ラップ
20日に行われるスピードスケートの女子1500メートルで、過去2大会連続銀メダルの高木美帆が世界記録を持つ本命種目で悲願の初制覇に挑む。
短距離型と長距離型が同居し、各選手のレース戦略が見どころ。近年の高木は最終周の失速が見られるだけに、スプリント力を生かして中盤までに貯金を築きたい。鍵として取り組む700~1100メートルの「中間ラップ」を29秒台の頭までで回れば金への道が開ける。
昨年末の全日本選手権はこの1周に29秒91を要し、記録も伸びなかった。1月下旬のワールドカップ(W杯)最終戦では29秒26に改善して2位。調子を上げてきた。
不気味なのが500メートルを制し、1000メートルで2位と今大会絶好調のフェムケ・コク(オランダ)だ。過去のW杯では1500メートルの出場がなく未知数だが、国内代表選考会で今季W杯無敗のヨイ・ベーネを上回った。

「滑るたびに良くなる」31歳
昨年10月には聖地ヘーレンフェインで1分52秒69のリンク新記録をマーク。当時不調とはいえ、12月上旬の高木は同じ会場で1分53秒89だった。警戒する関係者は多い。
高木は4個目のメダルとなれば、北京五輪に続き冬季1大会の日本勢最多記録となる。団体追い抜きの3試合を含め、今大会は6レース目。「滑るたびに良くなる」と評される31歳のエースが、4度目の五輪の有終の美を飾れるか。(共同)
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