アマ野球
2022/03/24 14:57

トランシス本間が選手兼監督に まずは道内4強撃破目指す

今季からトランシスの指揮を執る本間選手兼監督が、直接ノックをして指導する(撮影・西川薫)

 社会人野球の道地区連盟に加盟するトランシスで昨季まで選手兼助監督をしていた本間篤史氏(33)が、今季から選手兼監督を務める。スローガンは「『魅了』~クラブチーム革命~」。目標に、都市対抗道地区予選(5月20日開幕、岩見沢市営など)での2次予選進出と、全日本クラブ選手権出場(8月27日開幕、等々力)を掲げた。

主将を3カ所に配置

 高校時代に全国制覇を果たした伝説の駒苫戦士が、監督としての日本一を目指す。本間選手兼新監督は「今年の大きな目標は都市対抗道地区2次予選進出。本大会に行けなくても、補強選手を出す。自分が試合に出られなくなるぐらいの選手を育成していきたい」と、明確に照準を定めた。

 改革は早速始まった。選手たちはトランシス本社や協力企業など3カ所ほどの職場に勤務しているため、練習に全選手が参加できることが少ない。そのため、今季から3カ所にそれぞれ主将を置くことを決めた。「本当は全員がキャプテンをやってくれれば」と駒大苫小牧高時代に各ポジションに主将がいたように、選手の自主性を求めた。

 試合では采配を振るいながら、自らも打者として準備し、出塁すれば塁上からサインも出す。今季は監督業を優先させるため、自分のことは全体練習終了後。平日は午後6時まで働き、その後に室内で自主トレの時間を確保する。これまで以上に野球と向き合う時間は多くなりそうだ。

 トランシスの都市対抗道地区2次予選進出は2018年が最後。5月20日からは初陣となる1次予選が始まる。JR北海道クラブ、北海道ガス、室蘭シャークス、航空自衛隊千歳の道内強豪4チームが待ち受けており、「1年で企業チームとの差を埋めることは不可能」と戦力差は受け止めつつ、「一つは倒さないと2次予選に行けない」と撃破に意欲を見せる。

 7月には全日本クラブ選手権道地区予選がある。「勝ちたいし、勝たせたい。ぎりぎりまで追い込んだりしながら、確実に目標をクリアしていく」と優勝は最低条件だ。

 夢は「小学校や中学、高校から野球教室をやってほしい、と言われるようなチーム」になること。監督と選手の二刀流で“NO・1”になり、道内の勢力図を塗り替えてみせる。

■プロフィール 本間 篤史 (ほんま・あつし) 1988年8月3日、余市町生まれ。余市沢町小4年で野球を始める。余市西中時代は余市シニアでプレー。駒大苫小牧高では1年秋にベンチ入り。2005年夏の甲子園でV2に貢献。06年夏は元日本ハムの斎藤佑樹投手擁する早実高と再試合の末に準優勝。亜大からJR北海道。17年に引退。都市対抗5度、日本選手権4度出場。19年にトランシスでコーチ兼外野手として現役復帰。昨季は助監督を兼任していた。178センチ、92キロ。右投げ右打ち。妻と2歳の長男。

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