球審のケガ予防ヘルメット着用 道内高校野球は当面「任意」の方向【札幌支部抽選会】
義務化するかどうか 日本高野連の判断待ち
春季全道高校野球札幌支部の組み合わせ抽選会が27日、札幌市内で行われた。4月16日のNPBの試合中、打者の手を離れたバットが捕手の後ろに立つ球審の頭部を直撃する事故が発生したことを受け、札幌支部として現時点では球審のヘルメット着用は任意とした上で、今後義務化するかどうかなどについて日本高野連の判断待ちとすることが伝えられた。また夏の甲子園でビデオ判定の導入が決まり、過去に甲子園で塁審をしたことのある経験者にビデオ検証導入について話を聞いた。
球審をケガから守るには、ヘルメットを着用した方が良いのは明らかだ。NPBでは着用の運用が始まり、一部大学野球でも任意による球審のヘルメット着用が導入された。高校野球では昨今の夏の甲子園での熱中症予防の観点から、すぐ義務化に踏み切るには議論が必要だという。札幌支部の森田有審判副部長(50)は球審が着用を希望する場合、「色とSGマークなど、ルールの適合内であれば基本的に止める理由はない」。今後、日本高野連からの正式通達を受けて、それに準ずる形で運用していく方針だ。
「野球の審判はちょっと特殊」
過去に春の全道大会で、打者のフォロースルーでバットが手から離れ、打球の行方を追いかけていた球審の体に直撃した事例もあった。また、この20年で投手の平均球速は明らかに高速化。危険度は増している。「野球の審判はちょっと特殊。ほかの競技などでは大体コートの脇にいたりするが、速い球を間近で見ることは他にない」。瞬時の判断が要求される審判員の中でも、球審は投球時にストライク・ボールの判断を下す必要があるため余計、集中している。そこに死角から襲ってくるバットへの警戒意識は強くない。ましてや、北海道の場合は全国的にも珍しく、各校の監督・部長が中心となって審判を務めるため、経験が浅い審判員もいる。抽選会に出席していた教師の1人は「不安に思う審判の先生方は絶対いますよね」と導入に前向きだ。
ビデオ検証導入のメリット、デメリットは?
2012年のセンバツ甲子園で派遣審判員として塁審を務めた経験のある札幌啓北商業の前多隆志部長(54)は、地方大会へのビデオ検証導入には、現時点では否定的な考えだという。「メリットとデメリットがあるのではないか。メリットはもちろん審判を守るというもの」。近年、一つのジャッジを巡ってSNSを中心に審判員への匿名の誹謗中傷が過激さを増していることを、導入に前向きな理由に挙げている。
ただ公平性の観点からデメリットの方が大きいと指摘する。それは球場によって、ビデオ検証に必要な機器を備えている球場とそうでない球場があるからだという。「甲子園でやるとなると、次はエスコンならできるのではないかと、そういう考えになってくる。エスコンだけやるとなったら、エスコンの手前の道大会は同じ大会なのにやらないのかという問題が出てくる。選手も、ここの球場はビデオ判定で勝ったけれど、違う球場だったら、この判定で負けてしまったという思いも出てくるのかなと。難しいところですが、甲子園は決まったので甲子園だけでとどめたほうがいいのではないか」。全国の地方大会に導入するとしても、まだ当分先の話になりそうだ。