【北照13年ぶり春】8強OBがエール ㊤浦学・小島と投げ合ったエース大串和弥さん(30)
13年のセンバツ8強エースの大串さんが後輩に「4強を目指せ」とエールを送る=撮影・西川薫
大会3日目の第3試合で専大松戸と対戦
3月19日に第98回選抜高校野球大会(阪神甲子園球場)が開幕する。北海道代表は昨秋の全道大会を制した北照が13年ぶり6度目の出場。大会3日目の第3試合で、昨秋の関東大会4強の強豪・専大松戸と対戦する。前回出場時、過去最高タイの8強入りを果たしたOBが後輩たちへエールを送る。1回目はエース左腕・大串和弥さん(30)。13年春、2年連続でエースとして出場し、迎えた初の4強入りを懸けた準々決勝では、浦和学院のエース左腕・小島和哉(29、ロッテ)と投げ合いを演じた。
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大串さんは、札幌の小鍛冶組で軟式野球部の投手としてプレー。20年1月には全国優勝を果たしている。母校は一時、外部投手コーチとして携わった18年から2年連続で夏の甲子園に出場しているだけに「13年ぶりなんて感覚はないですね」。昨秋の全道大会準決勝は札幌ドームまで応援に足を運んだ。初戦の相手となる専大松戸とは、大串さんが2年秋の関東遠征で対戦。「ぼこぼこにやられているんですよ」と、当時の〝リベンジ〟に期待している。
「良かった思い出はあんまり…」
大串さんは春夏合わせて3度甲子園に出場。下級生エースとして挑んだ2年春。そして8強入りした2度目では3試合に登板。そして3年夏の甲子園。聖地のマウンドで合計5試合に先発して2勝3敗。「良かった思い出はあんまりないですね。初戦の完封はうれしかったです」と振り返った。
2013年のセンバツ甲子園・菰野戦で完封勝利を挙げた大串
8強入りの序章は初出場の2年春。1回戦の光星学院(現・八戸学院光星)で甲子園初先発するも、9回3失点完投と力投したが完封負け。「正直、記憶がなくて。気づいたら終わっていた。(光星の)天久選手にプレーボールで、パーンと打たれて。そこからあれよあれよで1点取られた。スコア以上に余裕がなかった。抑えている記憶が全くないですね」と遠くを見つめた。
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明治神宮大会2回戦の沖縄尚学戦でサヨナラ弾も
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自らの代になった2年秋の全道は決勝を含めて4試合中3試合をほぼ1人で投げ切りV2を達成。明治神宮大会では2回戦の沖縄尚学戦でサヨナラ弾を放つなど2年連続4強入り。「神宮大会で準決勝まで行ったという自信もあったので、最低ベスト8を目標にしてました」と意気揚々と2度目の甲子園へ乗り込んだ。
12年の明治神宮大会・沖縄尚学戦でサヨナラ弾を放つ大串
完封、完投して迎えた準々決勝の浦和学院戦
初戦の2回戦・菰野戦の前日には、21世紀枠で初出場した遠軽が初勝利。北海道勢として宿舎も一緒で「これ、負けられないな」と一層気合が入った。1年ぶりの先発マウンドに上がると、最速は138キロながら、チェンジアップとスクリュー、スライダーを武器に、センバツ出場校最高打率を誇った菰野打線を被安打8、7K完封勝利。「初戦をゼロに抑えたので、僕もすごい自信になった」と、3回戦・尚志館戦でも11奪三振を奪い、3失点完投で準々決勝に駒を進めた。
歴史の塗り替えに挑んだ浦和学院戦では0-10で完敗。3試合連続で先発したが、一回に浦和学院の主砲・高田にいきなり2ランを浴びた。「確かミーティングで前の試合か何かでホームランを打っていて警戒しよう、と言っていたんですけど、逆に慎重になりすぎて」。その後立ち直り四回まで追加点を与えなかったが、五回と七回に打ち込まれて6回1/3で10失点降板。「3回り目くらいから何を投げても打たれた記憶しかなくて」。打線も小島投手の内角攻めに苦しみ1安打のみ。「とにかくコントロールが良かった。インサイド、アウトサイドも。テンポも良かった。冷静な中にも熱いものがあった」。5年後にプロ入りする左腕にきりきり舞いにさせられた。
13年のセンバツ甲子園・浦和学院戦で七回に痛打を浴びる大串(左)
法大、札幌ホーネッツ経て小鍛冶組に
法政大を卒業後、北海道に戻って硬式のクラブチーム・札幌ホーネッツに加入。都市対抗野球北海道地区予選にも登板したが、左肩と肘の状態が悪化して翌年に退団。その後、北照野球部のOBが勤める札幌の小鍛冶組に「縁があって」入社した。
同社はとび・土工の老舗で、代表取締役の小鍛冶洋介氏(48)が北海高時代に甲子園出場経験があり、札幌円山球場や小樽桜ケ丘球場に看板広告を掲出したり、日本ハムファイターズの公式戦で冠試合を行うなど野球に理解がある。大串さんは仕事の傍ら、夏場は市内の自社球場で週に2、3度、冬の平日は週に1度、2週に1回は市内の室内練習場で練習する。「社長も野球をやられてたのもありますけど、野球部の従業員がかなりいるので、そこに対しての他の従業員の理解もかなりあると思う。仕事しながらの野球ですけど、チームワークだったり、仕事の面を含めてもかなりプラス。やっぱり野球が好き。見るのも自分でするのも。体が動く限りは続けていきたい。全然動かないですけど」と優しく笑う。
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同社では千歳や苫小牧方面の現場監督を務めているため、朝5時半には札幌の自宅を出る毎日。「現地は行けないですけど、テレビで応援したい。今の子たちも初めての甲子園になると思うので、まずは楽しんで全力で頑張ってくれたら」。13年ぶりとなる勝利の校歌が、聖地・甲子園に流れるのを楽しみにしている。
13年の夏季南大会決勝で駒苫を破り、ガッツポーズで反り返る北照・大串と喜ぶナイン