《稀哲の信条》ああ見えて結構、負けず嫌いなので
■練習試合 中日3-5日本ハム(2月17日、沖縄・名護)
試合後、取材に応じた森本稀哲外野守備走塁コーチ(45)の一問一答は以下の通り。
―監督代行か
「はい」
―投手陣はどうだったか
「僕の目から見てですけど、きょう投げたピッチャーは非常に順調だなと感じました。初めて見る投手がほぼでしたけど、この時期にあれだけのボールを投げられるのであれば、心配はないかなと感じました」
―山崎はスクリューを投げていた。どう見えたか
「変化球がもともとうまいピッチャーですし、山本昌さんに教わったのは僕もニュースで知っているんですけど、僕が野手コーチとしていつも見るのは、ストレートのキレがどれぐらい出ているかの方が重要な気がするので、去年の秋からずっと、ストレートの球速と質にこだわってやっているのも見ていますし、体も一回り大きくなって、しっかりやってきているのも見ている中で、どういうストレートの軌道をするかを見ていましたけど、そういった意味ではもうちょっと上げていけるのかなというのは感じました。どっちかというと、もともと、スクリューとかシンカーとか、チェンジアップは得意なピッチャーなんですけど、ストレートありきなボールだと思うので、そのように見ていました」
―細野、山崎、加藤貴と左の先発が3人投げた。順調な仕上がりか
「細野くんはちょっと打たれましたけども、出力も出ていましたし、なんとなく抑えるなというイメージが残ったピッチングだったと思います。加藤くんはもう、安定しているというか、見ていて何も心配しないんですけど、ただ、僕のイメージですけど、毎年(この時期は)もうちょっと質が落ちていると思うんですよね。尻上がりに良くなっていくイメージなんですけど、きょうはもうほぼシーズンと同じような出力で投げていたので、彼なりに危機感を感じて、去年のピッチャー陣の(中での)自分の起用法とか、登板間隔とか、そういうものはたぶん、本人が一番理解しているので、この1発目の実戦から飛ばしていかないといけないということが、僕にはすごい伝わった投球だったので、ボスも見ていると思いますけど、すごく良かったんじゃないかなと思います」

―矢沢の活躍が目立った。どうだったか
「初回の進塁打ですか。結果的には進塁打になったんですけど、矢沢くんに関してはピッチャーも野手も両方やっている中で、去年もあれだけ初めて、野手1本で1軍にいたことで、彼の中ですごく成長したと思いますし、僕が見ている中で一番、このキャンプで(新庄監督が)チャンスを与えているのが矢沢くんな気がするんですよね。ということは、たぶん一番、キープレーヤーとして矢沢くんを置いていると思うので、その中で結果を残しているし、ただ、きょうの中では初回にあそこ(無死二塁)でランナーを進めたこと。凡打だとしてもしっかり引っ張りにいって(右飛という)結果を残していますし、左ピッチャーからファーストスイングでホームランを打つということは、まあ、監督としては今のところ言うことないんじゃないかなと思います」
【一問一答:矢沢宏太 同学年の根尾に三振を奪われ「名古屋では1面だなって、山田コーチに言われました(笑)」】
―パワーが上がっている印象はあるか
「そうですね。名護は基本、追い風が多いので、あんまり参考にはならないんですけど。僕が心配していたのは、パワーアップして長打を増やしたいと言っていたので、シーズンオフにその記事を見た瞬間に、大丈夫か?と思ったんですよ。大振りしてコンタクト率が下がったら一番、困るバッターなので。そう思ったんですけど、キャンプ中も丁寧にバッティングしているし、ボスもバッティング中に、ちょっと大振りだからということを気にされて、アドバイスしたりもしていたので、そのへんはやっぱり、長打は欲しいですけど、まずバットに当てることが一番かなと思います。ノーアウト一、二塁で、きょうも見ていたんですけど、バットにさえ当ててくれてゴロにしてくれれば、ワンアウト一、三塁がつくれるバッター。僕もきょう、サインを出していて、こういうところって本当に大事だなと思ったし。ホームランはそれはうれしいですけど、なかなか打たせてもらえないので。そういう選手になっていけばすぐに、レギュラーを取れる選手だと思います。しゃべりすぎですね、きょう。ちょっと慣れてきちゃって、えー(笑)」
―監督の代打でしゃべることは急きょ決まったか
「そう。さっき聞きました」
―五十幡、矢沢の1、2番はどうか
「正直、五十幡くんと矢沢くんが(打率)3割3分、2人が打って、1、2番打たれるのが、ほかのチームは一番、嫌だと思うんですよね。ただまあ、そういうわけにもいかないし、彼らが今、レギュラーを取ろうと必死にやっているわけなので、ほかのメンバーもみんな、外野手はもちろんレギュラーを取ろうとしているわけで。何年か前と違うのは、自分がやらないと試合に出られない、もしくは2軍に入れ替えで行かされてしまうという危機感が出てきたのが、彼らの成長につながっているかなと思います」
―新戦力も出ていたが、目に留まった選手は
「僕は、前回もそうですけど、常谷くんが非常に、今のところですけど、すごいコンタクト率が良いというのと、最後も3ボールから打てのサインだったんですけど、打ちにいきながらグッと我慢して見逃したあたりが、全く何年後かの育成対象というよりは、本当に紙一重の、もう支配下に手が届くぐらいの育成対象だなと感じさせられるような打席でしたね。2打席ともですね。打席の姿が若々しいし、思い切りが良いし、今しかできないチャレンジを打席で出してくれている気がするので、見ていて気持ちが良いですよね」
―キャンプ後半、どんなところに注目するか
「今は細かい野球というよりは、まずは打席に立ってピッチャーと対峙(たいじ)して自分のタイミング、自分のパフォーマンスを出して振っていくことがメインですけど、ここからは、ボスもいつも言っていますけど、きょうも初回、1安打で1点取りましたけど、そういう野球をやっていく、ダントツで優勝するために必要な戦略になっていくと思うので、そこについていけない選手は置いていかれたりするので、まだ中盤ですから、この感じで自分のパフォーマンスを高めていくと思いますけど、終盤になっていくとだんだんボスの目も、選手の目も変わってくると思います」

―矢沢の性格面に変化や成長を感じる部分は
「彼が入ってきてから4年、一緒にいますけど、二刀流やっていた時もありますけど、彼が一番良いのは、吸収しようという気持ち、うまくなりたいという気持ちと、ああ見えて結構、負けず嫌いなので、そこは僕らが促そうと思っても促せないところを彼は持ってくれている。去年、シーズンオフに入る前も特に何を言うわけでもなく、しっかり準備をしておいてくれなという、その一言で彼には伝わるという、僕の中では、なんて言うんだろうね、任せられる選手なので、去年特に、野手一本でやったということで、彼の野手魂に火もついたと思うし、今シーズンは野手で生きていこうというような思いを、キャンプの入り方を見たら感じましたし、実戦が始まってもここまでうまくいっているので、今までで一番、順調にキャンプに入ってきたし、良い仕上がりでいっているんじゃないですかね」
―1、2番は五十幡、矢沢がいるとベストか
「いや、それは僕は思っていなくて、僕はレギュラーは誰でも良いと思っているんですよ。誰でも良いんですよ。水谷くんも、万波くんも、西川くんもいるし。西川くんも今、いい刺激になっているし、誰が出てもいい。西川くんが3割以上打てばもう、どうぞどうぞ。今、レギュラーはガラ空きの状態なので。結果的には誰かが出るわけなので。ただ、僕が相手チームで一番嫌なのが、まず足が速い選手。それが3割打てる、しかも守備がうまい、肩が強い。これが全部揃っているのはこの2人なんですよ。という意味では、彼らが打つ方で結果を残すことが一番、チームとしてプラスなんですけど、そこが一番難しいところなので。そこに去年もそうですけど、ジェッシー(水谷)とか、打つ方ではアピールしているし、外野手はどっちもあると思うんですよね、守備も、打つ方も。結局、守備が良くて打てなかったら、打てて守備が悪い選手が出がちなところもある。どこまで目をつぶれるかという天秤だと思うんですけど、その中で五十幡くん、矢沢くんは守備ではトップレベルの技術を持っていますし、彼らに負けない守備プラス、バッティングで勝負をしていくことが重要なので、だからこそ、足、守備、肩があれば、それはもう打ってくれたら出られる。相手は一番嫌ですよ。ただ、簡単に3割打てるものじゃないので。べた褒めですね。あしたは矢沢くんですね。この感じは。矢沢くんでしょ、きょうは、間違いなく。僕ね、チーム内競争っていらないと思っていたんですよ。出たメンバー、3人が活躍すれば良いじゃないですか。でもコーチになって初めてチーム内競争って必要だったんだって分かったんですよ。出ているメンバーも、安心した瞬間に成長が止まったりする。新しい選手がガッと来た時に、やばいと思って必死にやるのがすごく大事だなとあらためて感じたので、そういった意味で今年は矢沢くんと、僕は本当に西川くんがいい刺激になっているなと思っているので、彼らがマンチュウ(万波)とか、ジェッシーとかを脅かす存在になれば、みんなでまた成長できる。それは感じましたね。そういった意味で矢沢くん、きょうは98点ですね。数字が皆さん好きなので(笑)」