杉浦稔大 「選手がお金を出して、という形で良い」〝裏方さん〟の待遇改善を球団にお願いした真意とは…
ブルペンで投球練習する杉浦=撮影・桜田史宏
先乗り自主トレで充実のブルペン投球
テンポ良く腕を振り、捕手のミットが何度も乾いた音を鳴らした。日本ハムの杉浦稔大投手(33)が26日、キャンプ地の沖縄・名護で先乗り自主トレを行い、ブルペンで44球を投じた。
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先乗り初日だった24日にも投球練習を行っており、3日間で2度目のブルペン入り。仕上がり具合は「一回、試合で投げないと分からない」と言いつつも、「毎年、ちゃんと投げられるようにしてキャンプインしている。とりあえず、けがなくちゃんと投げる、ということと、変化球も最低限、狙ったところに、ということはできているかなとは思います」と充実感をにじませた。

日々感謝 サポートあってのハイパフォーマンス
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約1カ月後には34歳を迎える。チームの年長者として、〝仲間〟のためにできることは積極的にやるつもりでいる。昨年11月の契約更改交渉の席では、自分のことではなく、いつもサポートしてくれる裏方さんの待遇改善を願い出た。「オフの時期、エスコンはお昼ご飯が出ないんですよ」。選手の練習を助けてくれるスタッフが、食事に困っている様子を察し、なんとかしたいと訴えた。
「(裏方さんに)来てもらって、自腹で食べてもらう、みたいな感じなんですよね。まだ社員食堂が営業している日は良くて、営業していない日もある。その時は、どこかまでわざわざ、お昼ご飯を食べに行くか、自分で持ってくるか、球場内のどこかに買いに行くか、となってしまう。僕らもそうしている時があるんですけど、裏方さんは選手に合わせなければならないから大変だよなと。社員食堂もタイミング次第では、裏方さんが自分でお金を払って食べることになってしまうので。選手が一緒に行けば払ってあげられますけど。選手に一緒に行こうと言うのも、裏方さん的にはちょっと気を使うと思うので」

杉浦は何度も繰り返し「選手は別に、それでいい」と強調した。オフは球団に拘束されず、自主トレをする期間。自分の食事も当然、自分で用意する。ただ、選手のために付き合う裏方さんは違う。
「僕らのために、時間も合わせてくれるので、ご飯を食べる時間もなくなったりする。手伝ってくださいとお願いして、来たらご飯はありませんだと、僕らもちょっとお願いしづらくなる。選手は自分のタイミングで行けるからいいんですけど、裏方さんは一応、この時間は(選手のために)いようとか考えてくれるので、そうなったら家から持ってくるか、全部終わった遅い時間に食べるか、みたいになってしまうかなと。期間によっては、(食事代に使える)チケットを出してくれるみたいなこともあったので、選手は別にいいんですけど、裏方さんの分だけでもチケットを用意してくれないかなと。そうしたら、いつ自分で食べに行っても(お金を払わなくて)大丈夫なので」
まだまだ増えそうな北海道組
年々、エスコンフィールドで自主トレを行う選手が増え、それに伴って選手をサポートするスタッフの数も増えている。「今までは札幌組が少なかったので、なんとかなったんですけど、今はみんな、エスコンで自主トレもやっていますし、これからどんどん北海道に住む選手も増えるかなと思うので、オフの体制はもうちょっと(良く)できないかなと。裏方さんも北海道に住む人がちょっとずつ増えてきている。今後も増えていくだろうし、なんとかならないかな」と先を見据えた。

必要であれば、費用を負担することに問題はないという。「社員食堂が営業している日も、裏方さんの分は選手で負担するとか、できたらいいなと思っています。僕ら選手がお金を出して、という形で良いんです。ただ、(自主トレをしながら)毎回、手配しなければならない、というのがちょっと大変で。手配するにしても、毎回、何人が来るか分からないので」。優勝に向かって、オフも休まず働く仲間たちのために、食事の手配だけでも助けてもらえないか―。自ら声を上げづらいスタッフに代わり、背番号22が球団に思いを伝えた。
スタッフの存在は不可欠
「選手は、(不満があれば)それぞれが訴えればいいだけなので。裏方さんは言いづらいじゃないですか。(裏方さんを含めて)チームなので。選手は、支えられてできているので。いろんな人に応援してもらっているんだなというのは感じますし、実際に球団で直接、サポートしてくれる人もいる。そこは当たり前だと思ってはいけないなと思います」
リーグ制覇は、裏方さんを含めたチーム全員の力を集結させなければ、かなわない。いつでも感謝の思いを胸にマウンドに立っている道産子右腕だからこその、すてきな行動だった。