《レバンガ北海道・京都戦後》選手たちが何をやらなければいけないのかを理解している《ロイブルTalk》
■B1リーグ第17節(12月27日、28日、札幌・北海きたえーる)
▽第1日 レバンガ北海道96-62京都
▽第2日 レバンガ北海道99-92京都
試合後の会見に応じたレバンガ北海道のトーステン・ロイブルHC(53)の主な一問一答は以下の通り。
(12月27日)
―今日の試合の総括を
「チームとしてオフェンスもディフェンスも含め、非常にいいパフォーマンスだった。ただ、やっぱり出だしのディフェンスが少し軽すぎたという点はあったんですが、それ以外は試合を通して非常に素晴らしいディフェンスができたと思います。今日のゲームプランの一つは相手のシューター陣にしっかりプレッシャーをかけること。京都が3ポイントを多く打つということは分かっていたので、相手のシューター陣を乗らせないためにも可能な限りしっかりコンテストしてシュートを打たせたことで、相手の3ポイントを低い確率で抑えられました。ただ、こういう試合を勝った後だからこそ、もっと改善できる点をチームとして見ていかなければいけない。今日はオフェンスリバウンドを23本取られたことはチームとして反省しなければいけない点だと感じる。ただ、チーム全体で勝った試合で、13人全員がローテーションでき、全員がしっかりパフォーマンスできた。チームにとっては非常にいい試合だったと思いますので、そこは満足しています」
―今日はボールも人もすごく動いていて、パスもすごく回っていたように思った。改めて選手たちのプレーの評価を
「そこは素晴らしい点だったと思う。前回のアルバルク戦の大きな反省点の一つとして、ボールとプレーヤーがあまり回っていなかった。今週、ゲーム形式の練習で、オフェンスはボールの動きとプレーヤーの動き、よりよいスペーシングを取ってっていうところを集中してやった結果、今日の試合も誰一人セルフィッシュな選手はおらず、チームとしてもアシストが28本。しっかりボールと人が動いた結果かなと思いますので、このような形でオフェンスをプレーできれば、なかなか私たちのチームに勝つのは難しいのではないかなと思います。選手たちにはよく言うが、負けるということが成功の反対ではないということを常に伝えている。負けることは成功するための一部なので、負けた試合からいろいろなことを学ばなければいけない。特に最近で言うとアルバルク戦の2試合で、ボールの動きが悪く、オフェンスが停滞してしまったという理由を含め、チームとしてしっかり修正できたと思います。あと、リードしている時にどれだけそのリードを伸ばせるかということは、チームの一つの課題でもあったと思う。今日の試合はしっかりリードを保つだけではなく、伸ばすことができた。やはり負けた試合からの学びは、非常に大きいのではないかなと思います」
―秋田戦と同様に第2Qをきっちり抑えられた
「その場面で特別に言ったことは全くなく、戦術、戦略でということではないと思います。選手たちが、何をやらなければいけないのかを理解しているので、それをそのまま遂行してくれたのではないかと思います。1試合を通して自分たちがやるべきことができたら、このチームは非常にいいチーム、強いチームだと思います。ただ、そこでアップダウンがあったり、相手のディフェンスによって自分たちが本当にやらなければいけないオフェンスができず、自分たちがやるべきディフェンスができなくなってしまうと、アップダウンが激しく自分たちの試合にならない。どれだけ自分たちのリズムでプレーできるかという意味では、今日はディフェンスも終始しっかりできたと思います」
―昨シーズンの21勝に並んだが、その受け止めを
「昨シーズン在籍した選手にとっては、21勝でシーズンを終えたので、もしかしたら特別な数字なのかもしれないが、個人的に21という数字は何の意味もない。このチームを昨年より良くすることが目標ではないので、例年と比較することは全くない。今シーズンのチームのベストを尽くそうという思いでやっています。内容的に多分皆さんが期待していた内容より今は上を行っているかなと思いますので、可能な限りキープしていきたい。21勝できたことは非常に素晴らしいことだと思うのですが、個人的に特別な数字ではないです」
―勝てている要因の一つに、大きなけがをしている選手がいないこともあるのでは
「選手はどんな状況でもコートに立ったら100%を出さなければいけない。コーチとして、指導者としては、どうすれば強度をコントロールできるかというところにフォーカスしているが、決して簡単な内容ではないです。これだけ試合をこなし、北海道という地理的なこともあって移動距離も長い。どうすれば練習を多くできるか、どうすれば改善するべき部分を改善できるかというところにフォーカスしがちかもしれない。それらを踏まえ、1週間のプランを自分で考え、強度のコントロールはしています。と同時にプレータイムも可能な限り分散し、試合に臨んでいる。もしかしたら、リーグの中でもプレータイムの振り分けという点では、特定の選手だけに頼る状況ではないチームの一つかなと思っています。大きなけが人がいない数チームの中の一つかなと感じますし、そこには運というのもあると思う。やはりけがは疲労と関連しているので、指導者としてコントロールしています」
(12月28日)
―試合の振り返りを
「昨日とは別の試合になるということは想定内だったし、京都ももちろんレベルが高い、クオリティの高い選手がたくさんいる中、昨日負けたことで、エネルギーと質をパフォーマンスで表してくるので、絶対に簡単な試合ではないと分かっていました。そういう意味でも今日の相手は強く、素晴らしいシュート確率で決めてきた。自分たちも試合を通し、危ない局面が多かったと思うのですが、最終的にチームとしてしっかりステップアップし、自分たちも決めるべきシュートを決めて勝った。チームを誇りに思います」
―この半年で何が一番成長したか。残りのシーズンで改善していかなければいけないところは
「シーズン初めと今を比較すると、一番成長できたのは安定したパフォーマンス。それぞれのパフォーマンス、ベンチの得点力、あとはそれぞれの自信というところかなと思っています。シーズンが始まった時は外国籍選手と富永が中心で点を取っていたと思うが、今日の試合では6人の選手が2桁を取っている。若くて新しいチームが自分たちのリズムをつかむために普通は結構時間がかかるが、今は自分たちはチームとしてリズムをつかめている。今後の課題ですが、チームとしてよりフィジカルにプレーすることが必要かな。特に外の選手。われわれはよくディフェンスでスイッチするので、ミスマッチが起き、点の取られ方が非常に簡単すぎる。そこをもっとフィジカルで戦って、ミスマッチだったとしても簡単に点をやらないところは、チームとしてもっとステップアップしなければいけないところかな。今日の試合もミスマッチが起きたところをうまく京都が突いてきて、簡単に失点する場面も多かった」
―昨日とは違い、リバウンドの面で改善していたが、その点についてはどう感じているか。ラモス選手がチームトップの6本だった
「冒頭で伝えたかった内容でした。昨日と比べてチームとしてリバウンドのパフォーマンスが非常に良かった。結果としてオフェンスリバウンドを相手に5本取られたが、確かハーフタイムでも5本だったと思うので、後半は1本もオフェンスリバウンドを取られなかった。しっかりリバウンドをコントロールできた。自分の経験上、やはりリバウンドをしっかりコントロールするチームが試合に勝つ確率は高いと思うので、リバウンドは鍵の一つ。昨日はリバウンドが軽すぎて、ラッキーな勝ちと言えばラッキーだった。相手のシュート確率が低かっただけなので。ただ今日、京都のシュート確率が高かったにもかかわらず、しっかりリバウンド、オフェンスリバウンドを取らせなかったというのも勝った要因の一つかなと思っています」
―一方で3ポイントをすごく打たれていた。試合中にどうアジャストしたか
「ハーフタイムにチームに伝えたのは、ピックアンドロールの守り方を変えようということ。前半はコンテインというディフェンスで、ビッグマンが下がってしまい、外のパスに対してのクローズアウトの距離が長くなってしまったので、楽にシュートを打たせてしまったと思いました。後半に関してはスイッチディフェンスを、ただスイッチするだけではなく、ジャンプして外に出て激しくスイッチする。できる限り相手にプレッシャーをかけようと。もちろんその中でも何本かシュートを決められるシーンはあったと思うが、前半よりは良かったのかなと思います」
―第4Qの富永選手と市場選手のビッグショットをどんな気持ちで見ていたか
「富永は今日のようなパフォーマンスができるからこそ、獲得しにいったので。彼はエリートなシューターだということをしっかり証明してくれた。昨日の試合では3ポイントを1本しか打たず、そのほか10本はほぼレイアップで得点してくれましたが、今日の試合内容に関しては、特に大事な場面でシュートを決められるということを、彼が皆さんの前で証明してくれたんじゃないかなと思います。市場は、特に試合の終盤の接戦の時に持ち味をコートで出してくれている。それが以前のティップインだろうが3ポイントを決める試合だろうが、今日も含めてビッグプレーというのは、やはり彼が何か持っているものだなと思います。なので、試合が競っている時は可能な限り彼にコートに立ってもらいたいという気持ちはあります」