《ハム番24時》12月27日
今シーズン途中から石井がヒットで出塁すると、ベンチにいる選手が目を細め、人さし指を突き出す光景をよく見かけるようになった。当初、本人は「矢沢発信です。ふざけていますよね」と困惑していたが、自身も塁上で同じポーズをするように。このオフ、西武への移籍が決まり「矢沢のおかげで、はやったので、西武でもやろうかな(笑)」とノリノリでコメントしていた。
先日、石井が感謝していたことを矢沢に直接、伝える機会があった。すると「僕発信ですから!」と強調しつつ「始まりの話、聞きます?」と通称・ピンポーズの〝誕生秘話〟を教えてくれた。「石井さん(シーズン)途中、めっちゃ調子良くて、しょっちゅうヒット打っていたじゃないですか。最初はガッツポーズとか気持ちこもってやっていたんですけど、急にスカし始めたんですよ(笑)。ヒットは当たり前です、みたいな感じになって。普通にやればかっこいいのに。なんかちょっとかっこつけが出ていた」。クールな表情で、人さし指を立てる姿に思うところがあったという。
ある日のウエートトレーニング中。テレビのモニターに石井が安打を放つハイライトシーンが流れた。意を決して、その場にいた中島と松本剛の先輩2人に思いをぶつけてみた。「ちょっとダサくないですか、みたいに言ったら、剛さんと卓さんも、俺もそう思ったと。そうですよねって。次、ピンさん打ったら、まねしましょうよって。ピンさんに言わずにやったら、おまえ何やっているんだよとなって(笑)。で、モーレ(レイエス)もそれを見て気に入ったんですよ」。チーム内でじわじわ広まっていったという。
移籍にあたって矢沢は「ライオンズなので、これに変えてもらって」と目を細めながら、親指と人さし指でライオンズの「L」を作る新たなポーズを提案。「僕がライオンズ戦でツーベース打って、(石井に向けて)やりますね」とニヤリとしていた。来年の日本ハム―西武戦では〝ピンポーズ〟がたくさん見られそうです。