石井一成が止まらない 2安打で5試合連続マルチヒット 直近5試合の打率は驚異の.706
五回無死一塁、右前打を放った石井がガッツポーズ=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ11回戦 オリックス9-5日本ハム(5月14日、エスコンフィールド北海道)
今、最も頼りになるバットマンの一人
石井の快進撃がとどまるところを知らない。日本ハムの石井一成内野手(31)が「7番・二塁」で先発し、この日も3打数2安打とマルチヒットを記録した。
これで出場5試合連続の複数安打となり、4月29日に1軍再昇格してから、28打数15安打1本塁打5打点という驚異的な数字を残している。
新庄監督の指令通りに引っ張って2安打
またしても石井のバットが打ち出の小づちと化した。無死一塁で迎えた五回の第2打席では、ライト前にヒットを放ってチャンスを拡大させ、3点差を追い付く同点劇をお膳立てした。
先頭で打席に立った八回には再びライトへとはじき返し、これでこの日もマルチヒットをマークした。

野球人生で最高の状態 「信じられないです、自分でも」
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この5試合で記録した17打数12安打という固め打ちは、野球人生でも初めての出来事だという。
同期間の打率.706というハイアベレージに「信じられないです、自分でも」と驚きを隠せない状況だ。
無駄にはしなかったファーム暮らし
今季の開幕は1軍でのスタートとなったが、打率.125と低迷。4月19日に2軍行きとなった。だが、ここが転換点となった。2軍ではミートポイントを前にすることを強く意識してバッティングに取り組み、実戦では3割超えをマークした。
「(数多く)打席に立てたのは大きいですね」と振り返るように、実戦経験を積んだことで、「練習では(意識して)やっていますけど、試合中はあまり考えていないです」と、理想とするバッティングを徐々に自然と行えるようになった。一気に.386まで上昇した打率が物語っている。
新庄監督も高評価 「代える要素がないでしょ」
この日の試合で、5試合連続の先発起用。そのすべての試合で結果を残し続けているだけに、新庄監督も「(先発から)代える要素がないでしょ」と、石井のスタメン起用を当面、継続することを示唆。レギュラーの地位を盤石にしつつある。

チームとともに次戦から再出発
1軍再昇格後、石井が出場した試合では9試合負けなし(8勝1分)という〝不敗神話〟を築いていたが、惜しくも記録は10試合目でストップした。
それでも「こういう試合もあると思うので、野手で勝ちを付けられればいいなと思います」と気持ちを切り替えて、その目で次戦以降の試合を見据えた。「出たとこ勝負で、一戦一戦やっていきます」。序盤の低迷からV字回復を見せたベテランが、驚異の打棒と堅実な守備で、チームの勝利に貢献し続ける。
