《レバンガ北海道・A東京戦後》シュートの確率をもう少し安定させなければいけない《ロイブルTalk》
■B1リーグ第15節(12月20日、21日、トヨタアリーナ東京)
▽第1日 A東京81-59レバンガ北海道
▽第2日 A東京84-80レバンガ北海道
試合後の会見に応じたレバンガ北海道のトーステン・ロイブルHC(53)の主な一問一答は以下の通り。
(12月20日)
―試合の総括
「残念ながら12連勝が止まってしまった。非常に残念な負けでした。自分たちは出だしから内容的にも良くなく、逆にアルバルクの方はタフな強いディフェンスで、われわれは最終的には59点に抑えられ、ターンオーバー17本。アシストの差も結構あり、われわれは12本しかできなかった。今シーズン、ワーストな試合と言っても過言ではない。やはりアルバルクのような強豪トップチームに勝つには、われわれのトップゲームを持ってこないと勝負にはならないかなというふうに思います」
―ゲームは残念な結果になりましたが、北海道が得意とするペイント内で点を取るためにかなりペイントアタックを仕掛けていました。ただ一方で、アルバルクの方は重要なところはペリメーターでダブルチームに来たりとか、うまく抑えていた印象もある。コーチから見て、ペイントアタックはさせてもらえたのか、させられたのか、うまく誘導されたのか、どんな印象でしょうか。相手のディフェンスについてです
「内容としては両方かなと思ってます。やはりアルバルクさんのディフェンスが素晴らしかったというところと、自分たちのミスを誘発するようなディフェンスをされたので、なかなかオフェンスがうまくいかなかったと。その一方で、フリースローを19本もらったが、11本しか決められず、8本ミスしたのは内容的に良くないですし、オフェンスリバウンドを21本取れたのは素晴らしいが、にもかかわらず、セカンドチャンスポイントが13点というのは本当にひどい数字かなと思っています。自分たちが単純に弱かったのか、運が悪かったのか、そこは映像を見なければ分からないが、『ポインツ・イン・ザ・ペイント』(ペイントエリアでの得点)という自分たちの強みの一つがコートで出し切れず、簡単なシュートをミスしすぎたのもあるかなと思ってます」
―前半の守備を振り返っていただきたい。ミスマッチも突かれ、オープンでスリーも打たれていたと思うんですけど、そこの前半の守備の振り返りと、後半に向けての修正点を教えていただけますか
「特に前半と後半でディフェンスを変えたことはありません。ゲームプランとしては何も変えないで、ただ前半、スイッチしなくていいところを簡単にスイッチしてしまった。アルバルクの方がミスマッチをうまく突いてくるのは分かっていたので、後半に向けて、ハーフタイムではより強度を上げてディフェンスをするためにスクリーンのかけ方や、ボールに対するプレッシャーを含めた話はしましたが、ゲームプラン的には何ら変更したことはないです」
―きょうは前半は特に3ポイントをほとんど打たせてもらえませんでした。そもそも今シーズン、2ポイントの方が3ポイントよりも2倍ぐらい多いと思うが、2ポイントと3ポイントの割合の比とか、その辺のバランスを現段階でどう考えてますか
「今日の試合もその通り、3ポイントを14本しか打っていないので、あまりバランスとしては良くないのかなと思います。もう少し具体的に客観的なコメントをするには、細かく映像を見なければいけない。覚えている限り、何本か外のシュート、オープンだったと思うが、それをなぜか選手が打たなかったというシーンもいくつかありました。もしかしたら外からシュートを打つよりも、インサイドでアタックする方がいいというふうに決断をしたのかもしれません。その理由も含め、具体的なところはもう少しちょっと映像を見たいかなと思っています」
―CSやこの先、優勝を狙っていくにあたり、今日のアルバルクのような強豪チームに勝っていかなければいけないと思うが、そのために今のチームにより必要なことや、求めることはなんですか
「強豪チームに勝つには、もっとチームとしてコンスタントなパフォーマンスを出さないといけないかなと。アップダウンがちょっと激しいかなと思っています。ただ、勘違いしてもらいたくないのは、勝っているから全部パーフェクトで、負けているから全部悪いっていうことは決してない。今日の負けの中からも絶対ポジティブな要素はたくさんあると思いますので、そこはしっかり見直しをしたいかなというふうに思っています。ただ今日は、自分たちがペース的にもすごくゆっくりすぎた。トランジションでも8点しか入れられなかった。25点ぐらいトランジションで入れている試合もある。過去にはパフォーマンスが悪くてもラッキーな勝ちもあったので、全部が悪いとは思いませんけど。今日の試合は自分たちのAゲーム(最高の状態)が5分から6分間ぐらい、40分間のうちできたのかなと。それでは足りない。やっぱり最低でも30分はオフェンス、ディフェンスともにしっかり強豪チームに勝つにはAゲームを持ってこないと厳しいかなと思っています」
―連勝が止まってしまったが、それまでは連勝が続いていた。シーズン折り返しが近いという段階で、現在のチームの完成度と、チームビルディングの難しさについてどのように感じているか
「同じような質問を数週間前に選手たちにした。完成度が10段階でどれぐらいか。チームの共通意見としては今は6.5から7かなという答えが出て、現実にそうだと思っている。プラスに考えると、まだ30%ぐらいは成長できるポテンシャルがあるのかなと思っています。まだそこには到達してない状況。レバンガ北海道は新しいチームでもありますし、新しいヘッドコーチ、外国籍選手も3人とも新しく、総合的にも選手も若いチームなので、まだまだこれからかなっていうことは思います。その中でも12連勝できた大きな理由は、やはりチームに非常に強いケミストリーができているから。それがなければ連勝はできてなかったかな。決して素晴らしいレベルの選手が集まっているロースターではないと思いますので、やっぱりチームのケミストリーが良かったからこそ、結果として連勝できたのではないかと思います。チームのケミストリーを良くするというのは、それぞれの役割を明確にしなければいけない。このチームは、どちらかというとロールプレイヤー(補助的な役割を果たす選手)の集まりだと思っています。他のBリーグのチームと比べるとロールプレイヤーが多いチームだからこそ、それぞれの役割をしっかり理解し、選手それぞれがそれを受け入れ、チームのケミストリーをつくっていかなければいけないと思っています。そういう観点から見ると、今は順調に来てるのではないかと思います」
(12月21日)
―試合の総括
「昨日よりはチームとしては良かったのではないかな。第4クオーターに自分たちの流れ、勢いがあって、5点リードしてはいましたが、コールも含めて、ちょっと運が良くなかった、運が悪かった場面が終盤あり、相手に逆転を許してしまった。総合的に、ディフェンスも含めてチームとしては昨日よりは良かったんじゃないかな。ただ3ポイントの確率が20%を切っています。強豪チームに勝つには20%以下の3ポイントではほぼほぼ厳しい。そこも敗因の一つかなというふうには感じています。ただ、リバウンドについて、今日はオフェンスリバウンドを12本しか許さなかったところと、自分たちのターンオーバーは昨日は17個あったと思うが、今日は5個。昨日の試合と比較すると、改善したところは多かったが、再度言いますが、強豪チームに勝つにはAゲームをしないと難しいかなと思います。結果的に4点差で負けた中で、フリースローを10本もミスしている。もちろん、わざとミスしているわけではないと思いますが、確率を上げないと、厳しいかなと思います」
―第3クオーターの終盤で、市橋選手、菊地選手、富永選手というラインナップにして、そこから流れが変わったと思うが、その狙いについてどう考えているか
「試合をコントロールしようと。もちろんディフェンシブにという意味でも、そのラインナップは今日は効いた。第3クオーターの終わり、多少は良かったのではないかなと思うが、ずっと出すことは無理。疲労もたまるので、そこは控えを入れながらという感じです」
―これから相手に対して難しいなと思っているポイントと、富永選手のスクリーンのはがしに対して、今後もどういうふうにコーチと富永選手で話して向上していくか、言える範囲で教えてほしい
「正直、このチームに関しては、現実的に簡単な試合はないのかなと。アルバルクであろうが、リーグで順位的に下位のチームであろうが、結局あまり関係なく、今まで勝ってきた試合も含めて、結構競ってる試合ばかりしています。何を自分たちがしなければいけないという部分で差はないのかなというふうに感じている。自分たちは、全試合を決勝だと思う姿勢で挑まなければいけないのかなと思っています。やはり改善していかなければいけないのは、シュートの確率をもう少し安定させなければいけない。今日、昨日も3ポイントの確率が20%以下で、違う試合では50%入っているというような、ばらつきが激しい。オフェンスのリズムももっと安定させなければいけない。プレーの遂行度という部分でも、通常だったらアシストを20本ぐらいしているチームが、今日は12本で抑えられている。より良いスペーシングやボールの動きのレベルをもっと上げていけば、シュートの確率も安定して上がってくるのではないかと思っています。ディフェンス面に関しては、やはり明確にディフェンスリバウンド。このチームはセンターポジションに大きい選手はいますが、そのほかの選手は小さいので、まずリバウンドをコントロールすること。より、もっとフィジカルにプレーしなければいけないと思っている。富永選手だけではなく、ラモス選手、菊地選手など外からのシュートを得意としている選手はいます。やはり彼らがタフなディフェンスに対して、それはもうチームとして、チームでボールを動かしながらスクリーンをかけてという形も含めて、つくっていかなければいけないと思います」
―アルバルクはスターぞろいではあるが、この2試合はたぶん組織として一つになって機能的にレバンガ北海道に挑んできたと思う。そういう相手に対し、やり返すためには、より組織的にというような指示をしたかもしれない。今日はオカフォー選手や富永選手が個人技で沸かせるところもあったが、今後勝っていくためにはボールをよく動かしたり、より組織的になるような動きは、まだまだ必要だと感じるゲームでしたか
「このチームの強さを支える個人の創造力は崩さない方がいいのかなと思っています。組織的になりすぎると、それこそ富永選手みたいな選手の良さを消してしまうと思う。われわれも組織的でないことはないが、そこでトランジションで得点を稼ぐというところでペースアップする。アルバルクさんのようなチームはタレントがそろっている分、トランジションなどで走らなくてもタレントでカバーできます。われわれはタレントがそろっているわけではないので、自分たちのそのペースを自分たちの味方にして、ロールプレイヤーが多いチームだからこそ、走ること含めて今後もよりやっていかなければならないと思っています。タレントがそろっていない中で、ある程度の結果を出していることに関しては、非常に満足している」
―先ほどフリースローを10本外して勝てないというような話があったと思うが、一方でフリースローがあったことでかなりつないで逆転に持っていたという印象がある。そういった意味で、ペイントアタック、フリースローをもらうという強みについて手応えはいかがですか
「もちろんそうですね。ペイントアタックをして、フリースローを稼げたことは非常に大きい収穫だと思います。そういう意味では全部が悪かったというわけではなく、選手たちはよくプレーしたのではないかと思いますが、負けてしまった。フラストレーションがある中で、こういうクオリティの高いチームに対してフリースローを30本打てたというのは非常に褒めてあげたいところです。では、なぜ10本もミスしたのかというところもしっかり見ないと。元々このチームは、チームとしてフリースローの確率は結構リーグの中でも上の方だったかなと思うのですけど、この2日間は非常にフリースローの確率が低かったので、そこはやっぱり見直す必要はあるのではないかと」