水野の子育てスキルが急上昇しているようだ。オフに入り、１歳の息子と過ごす時間も増えたそうで、「（育児は）順調ですよ。やっと（こどもに）認識されました。帰ったらお出迎えしてくれます。やっと、ちょっとだけですけど懐いてくれていますね」とうれしそうだった。

　今季は６月１日に負傷で登録抹消され、リハビリ期間中はこどもの成長が支えになったという。ただ、その頃はまだ新米パパだった。大変そうに寝かしつけをする愛妻を助けようと、〝代打〟をかって出たこともあったが、「『代わったるよ、風呂入ってきな』と、めっちゃ格好付けて言ったら、風呂から出てくるまでに寝かせることができなかった」と、無力さを痛感させられた。

　しかし、そこから半年以上たった今は違う。毎日のように息子を風呂に入れ、「寝かしつけも、いけるようになったんですよ」と胸を張る。すぐに「ぬいぐるみがあるんですけど、それさえあれば、トントンしていたら寝るので」と謙遜したが、ぬいぐるみで寝かせるという子育てハックを知っていることが、もうすでに大きな進歩だ。

　水野の話しぶりからは、こどもへの愛情はもちろん、愛妻を少しでも楽にしてあげたいという気持ちが伝わってきた。「そうですね、前よりは助けられているかなと思います」。打席に立ったときとはまるで違う、優しいパパの顔だった。