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2026/01/01 05:00 NEW

【新春特別インタビュー】達孝太 沢村賞全項目クリアに照準 お手本は悲運も経験した金子投手コーディネーター

あけましておめでとうございます!のあいさつとともに26年への意気込み、熱意を語る達=撮影・北村史成

さらなる飛躍を目指す2026年シーズン!

 日本ハムの達孝太投手(21)が北海道新聞、道新スポーツデジタルの合同インタビューに応じ、2026年の誓いを立てた。未完の大器だった21年ドラフト1位右腕は、4年目の25年に大ブレーク。先発ローテーションの一角に加わり、8勝を挙げた。次代のエース候補が描く未来の姿とは―。沢村賞、ビッグマウス、ファッション、結婚観などさまざまなテーマに沿って本音トークを展開した。

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―2025年シーズンを振り返って
「良かったんじゃないですか、一言で言ったら。想像はしていましたけど、こんなにちゃんと結果が出たということで、安心感にはつながっていますね」

―プロ入りから3年で1軍2登板だったが、4年目で躍進。想定していたか
「24年の後半から、先発としてのパフォーマンスを求め出したので。そこからはファームでも1軍でも、コンスタントに結果は出ていたので、その部分(過程)に関してはいいんじゃないですか」

―先発ローテに定着して優勝争い、CS(クライマックスシリーズ)を経験。CSファイナルの初戦と最終戦を経験したことがターニングポイントになったか
「あの中4日を経験したので、中6日がすごく楽に感じるんじゃないかなと、勝手に思っていますね」

―プレッシャーの中で投げたことも
「(普段とは異なる)調整や体の疲労感を考えると、中4日は結構しんどかったので。来年は中6日で回ることが多くなると思いますけど、すごく生きそうな感じもして、良い経験ができたなと思います」

―現代のプロ野球で中4日は異例。高校時代は連投もあったが
「あの頃の気持ちを忘れていますね、高校の時の気持ちを(笑)。思い出さないといけないなと思います」

2021年10月11日、日本ハムからドラフト1位指名を受けた達がシャドーピッチング

 

―メジャーでは球数を制限し、中4日で回る
「アメリカではこれを1年間やるのかと思ったら、もう想像もできないです(笑)」

千里の道も一歩から

―昨オフから自費でアメリカに渡り、自主トレを行っている。学んだことが身に付いている実感は
「それは(米国自主トレに限らず)1年目からずっとそうなので。一つ一つ課題を設定して、1個ずつクリアしていくということは、ずっと変わっていない。そのおかげで成長しているんじゃないかなと思います」

―取り組み方は、高校時代から確立しているのか
「そうですね。それが楽しいので。一気に全部やるのではなくて、1個ずつつぶしていって、つぶしていけば、つぶしていくほど、また新しいものが生えてくるので。それを一生、つぶし続けるんじゃないかなと思っていますね、これからも」

―課題は、細かい投球の技術なども
「もう全部ですね。フィジカルの課題もそうですし、試合の中での課題も。最近はそれがより技術的な部分に近づいてきているので。3年前、4年前とはちょっと違う課題にはなっていますけれど」

―例えばどんな課題へと移行しているか
「1年目は毎回、トレーニングで、絶対に重りを前回より上げようという課題。体をつくることがメイン。最近は配球のことであったり、あの場面、あの球ではなかったよね、というのを一つ一つ、つぶしていって。あとは絶対にその場面でやってはいけないこととか、いろいろあるので、という感じですね」

大きかったエース右腕の存在

―完投、完封へのこだわりをシーズン中から口にしていた
「それこそ(伊藤)大海さんがあれだけ長いイニングを投げて完投、完封しているのを見ていると、こちらもしないといけないな、という気持ちになりましたし、周りの先発陣もそういう雰囲気になっていたので。良い流れをつくってくれた大海さんがいたからだと思います」

―レギュラーシーズン最終登板となった9月27日のロッテ戦(ZOZOマリン)でプロ初完封を達成
「完封しようと思っても完封できないですね。それは今年、ずっと思っていましたね。あの試合も、そんなにめちゃくちゃ調子が良かったかと言われると、そんなことはなかったんですけど、目の前のバッターを一人一人、つぶしていったら、結果的に完封、完投できていたという。今年はほとんどそうだったので」

―伊藤が獲得した沢村賞への思いも芽生えた
「今までは山本由伸さん(現ドジャース)とか、ちょっと遠かったじゃないですか。身近にいなかったので、あまりイメージが沸かなかったんですけど、大海さんが獲ることによって、ちょっと近づいた感じがしたので。身近な人が獲ると、やはり影響は受けますよね」

昨年10月、練習中に笑顔で会話をする達(左)と伊藤

 

―新人王獲得はならなかった。悔しさはあったか
「悔しさというのはなかったですかね。それこそ自分は規定(投球回数)も投げていないですし、2桁も勝っていないので、それはそうなんじゃないかなとは、僕自身も思っていました」

―獲れたら、うれしかったが
「そうですね。そこは自分がコントロールできる部分ではなく、期待してもしょうがないので、それよりも沢村賞を獲りたいなと思いましたね。絶対に毎年1人選ばれる、というわけではないですし、本当に良いピッチャーに与えられるものだと思うので、全項目をクリアしたいですね」

―現代ではなかなか過酷な数字
「金子さん(投手コーディネーター)が(2013年に)全項目クリアして、沢村賞を獲れなかったらしいんですよ。楽天の田中将大さん(現巨人)が24連勝して。金子さんが『全部クリアして獲れなかった』と言っていて。『(沢村賞を逃した悔しさよりも)そっち(全項目クリア)の方がうれしかった』と言っていました」

―今では考えられないくらいすごい成績
「10完投、15勝、220イニング超え…(笑)」

メジャーのこと、WBCのこと、新庄監督のこと

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