【一問一答】北山亘基 年俸アップ分では「野球以外だったら、いいご飯を食べたり…」
来季の目標を書いた色紙を手に笑顔の北山=撮影・松本奈央
来春開催のWBCへの思いも
日本ハムの北山亘基投手(26)が4日、エスコンフィールド北海道で契約更改交渉に臨み、ほぼ倍増の年俸9500万円でサインした(金額は推定)。プロ4年目の今季は自身初の規定投球回に到達。新庄監督からは来季の開幕2戦目、ソフトバンク戦での先発が指名されている。会見の一問一答は以下の通り。
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―サインはしたか
「しました」
―大幅アップか
「まあ、そうですね。大幅っていうんですかね」
―球団からの評価は
「今季、しっかりCS(クライマックスシリーズ)、シーズン含めて活躍してくれてありがとうございました、という話をしていただきました」
―その評価をどう感じた
「及第点というか、個人的には感じている。思ったところは最低限クリアできて良かったと思うが、欲を言えば、もっともっと達成したかった2桁勝利だったり、そもそもチームが優勝していないところでは悔しい気持ちがたくさんあったので。成果も感じつつ、まだまだ伸ばしていきたい気持ちが半々くらいな感じです」

―球団へ要望したことは
「来季の決意というか、今年(登板間隔)中10日だったり、中8日だったり、そういうのを含めてのシーズンだったので、規定を(投球回を)投げたというのも含めて、来シーズンは中6で1年間(ローテーションを)回りますというのを目標というか宣言というか、そういう気持ちでやっていきますとお伝えしました」
―今季を振り返って
「まず大きなけがなく健康上の問題なく1年を過ごせたのが一番、素晴らしいこと。そこに感謝して、その上で数字としてのキャリアハイ、いろんな面でキャリアハイがあったので、そこも年々、着実に進んでいるなというのもあった。一番は健康にできたのが良かったです」
―今季の中で印象に残っている試合はあるか
「背番号をシーズン中に変更させていただくことになって、その1発目のエスコンでのライオンズ戦があったんですけど。その試合が一番、印象に残っています」
―どんなところが
「背番号10番台はピッチャーでいうと、花形みたいな番号だと思うが、そういった番号を着けさせていただく中で、初登板だったので。自分としてもチームの中心として投げていきたいっていう気持ちがあった中で、番号もそれに伴って変わっての登板だったので。より責任感も増しますし、緊張感もあったので。その中で15番で初勝利を挙げることができたのはすごく達成感のある試合だったと思います」
―オフの過ごし方は
「例年、関西、地元の方に戻ってトレーニング、技術練習をしているので。今年も同じ流れでやっていきたいなと思います。来季はタイトル総ナメするくらいの気持ちでやっていきたいと思っています」

―そういう意味では間近に沢村賞に輝いた伊藤がいることは刺激になる
「今年1年間に関しても近くに大海さんがいてくれるおかげで引き上げられたところもあった。ライバル意識をもって切磋琢磨させていただいたのはすごく大きな存在だった。身近な方が沢村賞を獲られて、日本の投手の中で一番、タイトルをたくさん獲った方というのはすごく励みになるというか、近くに目標が見えて、より鮮明に自分の目標としても見えやすくなると思う。借りれる力は借りて、気付けば追い越しているくらいの勢いで来年いけたらいいなと思うので、しっかりオフシーズン、練習していきたい」
―「F FES」では開幕2戦目の先発を直訴して勝ち取った。ソフトバンク戦になる
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「今季もエスコンで大海さんの後で投げて、ホークスだったので同じ流れかなって。ただ、ホークスさん、今年の僕を踏まえてデータを取って開幕から来ると思うんですけど。まったく別物の投手になって、1戦目から臨みたいと思っているので、向こうがびっくりするようなピッチングをして、抑えていきたいと思います。それができるだけの用意と準備をしていくつもりなので。オフシーズン、しっかり取り組んで、開幕が楽しみだなと思います」
―あらためて来季はどんなシーズンにしたいか
「チームが優勝することだけ。個人のことはその次で。チームの優勝の真ん中で笑っていられるようなシーズンにしたいなと思います」

―防御率はリーグ2位。そのあたりのこだわりは
「それもやっぱり取りたかったですし、2位はあまり覚えてもらえるような数字ではないので。1位にならないとみんなの記憶には残らないと思うので。来季はそのために頑張るわけではないですけど、チームの優勝のために貢献した先に、そういった数字が付いてきたらいいなと思う」
―年俸アップ分の使い道は
「自己投資と、自分の経験と体のケアだったり、栄養の部分は昨年からお金かけてどんどんやっていっているんですけど、スケールも大きくできると思いますし、自分一人で事足りていないところをいろんな人に手伝ってもらったりサポートしてもらうようにうまく使っていけたらいいと思います」
―具体的な自己投資
「野球以外だったら、いいご飯を食べたりとか、そういう世界もあるんだと。今年のシーズン終わりに清宮とフレンチに行ったんですけど、本当にいいご飯屋さん、初めて行くようなフレンチだったんですけど、こういう世界もあるんだなという感覚になりましたし、それは野球に限らず、いろんな世界でプロフェッショナルがいると思うので、そういうのを経験すると視野が広がるというか。自分の見えている世界じゃなくて、いろんな世界があってそれぞれの世界で頑張っている人がいるんだなと感じることができると思うので。そういう視野の広げ方ができたら、人生の幅も広がると思う。そういうふうに使いたいです」
―同じトレーナーから指導を受けるドジャース・山本から吸収したいことは
「僕としてはいろんなものを勉強して取り組みを試して、たくさんやっていく中で行き着いた矢田先生に出会って。自分の野球人生を懸けて打ちこんで取り組む価値があるという覚悟を持って始めているものなので。あの取り組みが本物だと、すでに山本投手が証明されていますけど、それが1人ではなくて2、3人と増えていくことであの取り組みの信ぴょう性というか本物なんだなというのが周りから、より分かると思う。次、僕がそれだけ活躍して、本当にいい取り組みなんだというのを世の中に広げられたらいいなと思います」

―この1年間で一番、手応えを感じたのは
「一言ではなかなか表現できないですが、投手としてイニングを、規定投球回を先発として回れたってことと、あとは各月を見ても数字の変動、調子の波も1年通してあまりなかったというのは自分の中で評価できるポイント。1試合1試合の内容よいうよりかは、1年通してのクオリティーだったり、波の少なさが年々良くなってきていると思うので、今年はより確実性が上がってきたのかなと思う」
―来年はタイトルを総ナメにしたいと。そこへの最終的な課題は
「最終的な課題は今年でいうと、6イニング目だったり、7イニング目、勝負どころでピンチを背負うというのがたくさんあるんですけど。そのピンチの場面、得点圏にランナーを置いて、バッターを最後、抑えないといけない、このカウントでこの1球で仕留めないといけないっていう本当の勝負の1球が強くなるというところがイニングをさらに稼ぐポイントだと思います。今年1年を通して痛感した来季への課題がそこだと思うので。心技体、全部だと思うんですけど、その1球で決めきれるところを突き詰めていきたいと思っています」
―来春に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への思いは
「何も決まった話ではないですし、もしもの話、仮定の話になりますけど、もし選んでもらえたら、その準備はするつもりですし、前回の強化試合を踏まえて、気持ちをそういうふうに持っていきたいなと思っているので、そういう機会があれば日本を代表する素晴らしい選手の方々、世界、メジャーリーグから来られると思うので、そういった中で国のために戦えるのはすごく特別なこと。そうなったらいいなと楽しみに待ちたいなと思います」
―新たな球種の習得は
「今、持っている球種により磨きをかける。ここまでくると何をこうするとは一言で言えない。いろんな要素があるので。投手として球威にしてもコントロールにしても球速にしても、全部が相乗して伸びていく方向性というのはあると思うので。球速だけとか、コントロールだけじゃなくて、全部がまとまって良くなっていくって方向性を求めて、このオフはやっていきたいなと思います」
―全体を底上げする
「そうですね。その過程の中で新たな球種だったり、変化が現れたらいいなと思いますし、そっちが目的というかは目の前のことを積み重ねていった先に、もしそういう変化があればいいなと思っています」

―オフは(トレーナーの)矢田修先生のところに行く
「行きます。もうそこはずっと行きます」
―1月からか
「もう12月の半ばぐらいから本格的に始めようかなと思います」
―山本と一緒に練習する時間も取れそうか
「もしかしたら、あると思います。食事とかはどっかであると思いますね。練習はやっぱり、おのおのの課題がメインなので。一緒に教え合うとかはあんまりないのでっていう感じですね。どっかでお会いする機会は絶対あると思うので。お話を聞けたらいいかなと思います」
―ワールドシリーズの話も
「いや、野球の話はいいかなと(笑)。日常のたわいもない話ができたらいいなと思います。お忙しい方だと思うので、なんか楽しく話せたらいいなと思います」