北山亘基 ブレない心の原点は「逃げない」 合わない人にも「プライドを折って歩み寄る」
7回を投げ、8安打3失点と粘投を見せた北山=撮影・松本奈央
■2025 パーソル クライマックスシリーズ パ ファイナルS第4戦 日本ハム9-3ソフトバンク(10月18日、みずほペイペイドーム)
ファーストSの悔しさを晴らすCS初勝利
日本ハムの北山亘基投手(26)が中5日で先発し、粘りの投球で7回8安打3失点。白星を引き寄せた。
負ければ終わりの崖っぷちでも辛抱強く試合をつくり、入団4年目でCS初勝利。妥協を許さず、自らを律して高い理想を追い求めてきた。
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すべては自身の成長のため
野球を始めてから胸に刻む行動原理がある。「つらいことから逃げない」。何か選択肢があると、これを指針にしてきた。
「しんどいことと楽なことがあったら、今まで全部、しんどいことを選んできたので。それはやみくもにしんどいことではなくて、自分の成長につながるしんどいことを選び続けてきました」とサラリと言ってのけた。

思い描く未来予想図に向かって
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自身が見据える未来から逆算して、現在地をふかんして見ている。
「長い目で見て必要になってくると思ったら、正面から向き合ってきた。その過程で強くなりましたし、言い訳をしない考え方が身に付きました。結局全部、自分の中で完結できるように。環境のせいにしない。コントロールできるのは自分自身のことしかない。その代わり、不可抗力は受け止める。なぜかと言われたら、うまくなりたいというだけです」
対人に関しても同様の考え
ただ、頭では理解していても行動に移すことは難しい。それでも北山は当たり前のように過酷な課題を欲した。「もちろんトレーニングは、プロまでやってきているので、泣きそうなぐらいしんどいことをやってきています。その耐性も大事ですけど」と前置きしてから「人間関係にしても同じことが言えると思う」と強調した。
視野を広げている。出会った人と、どう関わっていくか―。野球の現場でも日常生活でも、それを大切にしている。「あの人は僕のことを分かってくれないからこのままでいいや、どうせ分かってくれないし、とするのか、自分のプライドを折って、相手にどう歩み寄るか」と例を挙げ、後者の重要性を説いた。
「絶対に(互いを理解するための)道筋はある。細くてもこじ開けていく、ということを(高校、大学で)キャプテンの時によくやっていました。なかなか一言目で理解してくれる、という人間ばかりではないですし、試行錯誤して。あいつはダメなやつだから言っても聞かないや、だったら終わり。そうではなくて何か可能性はないかなと。1%でも良くなる要素があるのなら、そこから入り込んでこじ開けて真意を伝えたい。そうやってきました」

日々、求め続ける心身の進化
簡単には解けない問題でも、角度を変え、工夫しながら何度もアタックする。「野球もそういう感覚。もちろん、諦めたくなることもある。そこで諦めたら終わり。それでいいのかというと嫌なので。だったらやるしかない」
他責思考を嫌い、信念に基づいて行動する。仮に生まれ持った才能があったとしても、依存しない。生きてきた過程の全てが、北山の強さに直結している。