４－０からまさかの逆転負け

　失意の夜、そばで寄り添ってくれる仲間がいた。日本ハムは２５日、西武に４―５で逆転負け。その日の試合後、チーム宿舎では清宮幸太郎内野手（２６）が、敗戦の責任を背負った同学年の北山亘基投手（２６）を励ましていた。

　六回までスコアボードに「０」を並べていた北山は、４点リードの七回に２点を失い、イニング途中で降板。救援した上原が逆転の３ランを浴び、チームが敗れるショッキングな展開となった。首位ソフトバンクが勝利したことで、逆転優勝へ崖っぷちな状況に追い込まれた。

試合後、宿舎の食事会場で…

　ホテルの食事会場で清宮幸は、北山とベテラン左腕の宮西と居合わせた。

　「たまたま一緒になって。そう簡単にはいかないねって。僕とミヤさんと（北山の）３人だけだったので、そううまくはいかないなって。食事会場の時は（時間がたって）さすがに切り替えられていましたけど、教訓を得るしかないねって話はしていました」

１０勝ならず　悔しさを共有

　北山にとって初の２桁勝利が懸かっていたことは、清宮も気にかけていた。

　「僕もめっちゃ頭にあったので、アイツの１０勝。僕も悔しかったです」。自身も父・克幸さんから教わった「ネセサリー・ロス」（負けからしか学べないことがある）という言葉を胸に、たくさん試練を乗り越えてきた。「それはやっぱり経験じゃないですか。伸びる糧というか、そういうのがないと成長しないじゃないですか」と思いやった。

支え合うファイターズのＫ・Ｋコンビ

　イニシャルがともに「Ｋ・Ｋ」の北山とは、家族ぐるみの付き合いをしており、何でも言い合える関係だ。オールスター前には「北山が投げる日にもっと打つ」と宣言。後半戦に入ってから、強力援護を続けている。前日２５日の登板前には右腕から「ホームランを打ったら、ご飯をごちそうする」と言われ、左中間へ先制の１１号２ランを放っていた。

　交わした約束は「男に二言はないので」と守ってもらう。「それはもう高くて、おいしいやつで」とニヤリと笑った。野球はチームスポーツ。つらい時も、うれしい時も、みんなで支え合い、強くなっていく。