目に焼き付けたい闘う姿 みんなで勝って、最高の形で送り出そう!《河合CRC竜の眼》
成長を感じさせた今治戦
1-1のドロー決着となった今治戦は、勝ち点1を拾えた試合といえる。これまでは先制点を与えると、ズルズル失点を重ねてしまうパターンが多かった。劣勢から盛り返した戦いぶりはチームの成長を感じさせる。
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今季の札幌は引き分け数がリーグ最少の5。極端に表現するなら勝つか負けるかの面白いサッカーにも見える。しかし長丁場のリーグ戦では勝ち点を落とさず、負け試合を引き分けに持って行く粘りが大切だ。負けを引き分けに、さらには引き分けを勝ちにする術や勝負強さを身に付ける必要がある。
アウェーでの勝ち点奪取の一因は、柴田監督の思い切りよい選手交代だった。西野を一列上げ、中村を投入することでチームに変化が生まれた。運動量が増え、推進力を発揮できたのは監督の「前へ、前へ」というメッセージが伝わったからだろう。
セオリーを体現できなかった守備面
試合終盤はノーガードの打ち合いになったこともあり、最後まで点を取ろうとする姿勢を示してくれた。だが、守備面では反省もある。オープンな展開になった際に2対3の状況をつくられるなど、ディフェンスのセオリーを体現できていないシーンがあった。見る者にとっては最後まで目が離せないエキサイティングな展開だったが、ピッチ上の選手は守備の鉄則を崩してはいけない。
キャプテンマークを巻くということ
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この試合では、スタメン最年少の西野がキャプテンマークを巻いてゲームに臨んだ。柴田監督は当初、荒野らベテラン選手が付けることを想像していたが、主将の高嶺と相談する中で真っ先に西野の名前が挙がったという。アカデミー出身選手であり成長著しい若手に、より責任感と覚悟を持ってプレーしてほしい。大抜擢には、そんな主将の思いが込められていた。
キャプテンマークを腕に巻くことは、チームを代表する立場の選手であることを意味する。人選は上手や下手ではなく、クラブの精神的支柱になり得る人物が大役を担うべきだ。チームが沈んだときに顔を上げて頑張ることが重要で、西野にはタフなメンタルで札幌をけん引できる存在になってくれることを期待したい。
29日の愛媛戦はシーズンラストマッチになる。チームは様変わりし、私事としてもGMに就任するなど激動の1年だった。あっという間に過ぎ去った2025年を締めくくるゲームだからこそクラブフィロソフィーを徹底し、ファンの魂を揺さぶるプレーを見せてほしい。
〝不屈の男〟の現役ラストゲーム
この試合は、長くクラブを支えた深井の現役ラストゲームになる。最後の1週間の調整期間は「もうピッチに立てなくなるのか…」と、思う瞬間が数多く訪れるものだ。感傷に浸りつつも、試合までの一日一日をかみしめて、楽しんで練習してほしい。もう2度と訪れない特別な時間だから。
クラブ初となる決勝進出を果たした2019年のルヴァン杯では、後半アディショナルタイムに同点弾を記録するなど、最後まで諦めないプレーを真骨頂とする。周囲の選手やサポーターには、その闘う姿や一挙手一投足を目に焼き付けてもらいたい。功労者のラストマッチ。みんなで勝って、最高の形で送り出そう!
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