上原健太 来季も勝ちパターン熱望 「あれはやめてほしい」と斎藤に注文することはー
ダッシュの合間に笑顔をみせる上原=撮影・松本奈央
試行錯誤の末たどり着いた新境地
日本ハムの上原健太投手(31)が来季もリリーフで勝負する。今季、先発から転向し、終盤は勝利の方程式に加わった。試行錯誤しながらたどり着いた新境地。セットアッパーのやりがいや難しさに触れ、クローザー願望も明かした。
【ファイターズ 関連ニュース一覧】
ビハインドの場面のロングリリーフ、ワンポイントなどさまざまな役割をこなしながら評価を高め、終盤はセットアッパーを任された。自身も想像していない未来だった。「やりがいは、チームの勝利により貢献できるというところ。試合に勝ったときのうれしさも、投げるときと投げないときで違います。チーム状況や展開によって重みは変わりますけど、責任感や覚悟が伴う。あとは試合が始まってすぐ投げるわけじゃないので、状況を見ながら準備するというところも、すごく難しさは感じました」と振り返った。

全27試合救援登板で防御率1.11、13ホールド
先発時の印象をガラリと変えた。150キロ超の真っすぐで押すシーンが増えた。全てリリーフで27試合に登板し、防御率1.11、13ホールド。ポストシーズンを含めて勝ちパターンで起用された。自らの力で道を開拓したが「シーズン通して40、50試合、投げられるのかどうか。投げたときにどんな成績か。そこで初めて本当の適性が見えてくる。たった27試合プラスCSで、判断はできないかなと思います」と謙虚に受け止めていた。
「そこは狙って行くべきなのかなと」
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
9月2日のロッテ戦(ZOZOマリン)では八回途中から救援し、回またぎでプロ初セーブを挙げた。田中、柳川、斎藤らが担ってきたクローザーも魅力があり「もちろんチーム状況にもよりますけど、中継ぎで一番立ち位置が上なのは抑えなのかなと思うので、そこは狙って行くべきなのかなと。向上心を持つ上で、絶対にその気持ちは大切」と、果敢に挑戦していく意思を示した。

「ワーッ」の後だと「うわ、投げにくい」
ただ、抑えを担当する場合、一つだけほかの投手に注文があるという。「今年、何回かあったんですけど、八回は(斎藤)友貴哉で、僕が九回に登板すると。友貴哉が160キロとか投げるじゃないですか。あれはやめてほしいです」と苦笑いを浮かべた。半分は冗談だが、半分は切実な願い。 「160キロで(球場全体が)ワーッみたいになっているじゃないですか。その後に投げる150キロの薄さ(笑)。僕もうわ、投げにくいってなるんですよ、すごく。ということは僕も160キロ投げないといけないと思いました。じゃないと友貴哉に対抗できない」と先を見据えた。
【2000円お得! 道スポの年払いプラン】
先発として悩み、苦しむ時期が長く、二刀流にも挑戦したが、過去に後悔はない。「遠回りもしました。でもいろんなことをみんなが経験できるわけではないので、絶対にマイナスではないと思う。先発から中継ぎ、中継ぎから先発、オーバースローからサイドスロー、アンダースローでもなんでもいい。違うことをやるのは、絶対に良いと思う」。山あり谷ありのプロ生活を送ってきたドラ1左腕。10年もがいたからこそ、輝ける舞台が見つかった。
秋季キャンプ締めのハイタッチをする上原