上原健太 ロッテの猛追かわしてプロ初セーブ まだまだ続く連続0封
九回を無失点に抑え、田宮(右)と抱き合う上原=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ17回戦 日本ハム8-6ロッテ(9月2日、ZOZOマリンスタジアム)
チームを救ったリリーフ登板
日本ハムの上原健太投手(31)が2点差に追い上げられた直後の八回2死一、二塁で4番手登板。ロッテ打線の反撃を食い止めると、続く九回も無失点に抑えて、プロ10年目で初セーブを記録した。
加えて19試合連続無失点。もはやブルペン陣に欠かせない存在となった大型左腕が9年ぶりのリーグ優勝へ全力投球を続ける。
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試合は生もの 「え、代わるんですか」

六回を終えて8-0と大量リード。日本ハムのワンサイドゲームかと思われたが、終盤へロッテが攻勢を強めた。七回、先発の伊藤がソトに2ランを浴びると、続く八回には2番手の玉井、3番手の斎藤がトータル4失点を喫した。「(武田コーチから)『きょうは九回、行くよ』と練習中に言われていて」。最終回に備えていた上原が、急きょ八回途中からマウンドに上がることとなった。
「まさか(斎藤)友貴哉が、という感じで。一応、バックアップに入っておいて、みたいな感じからだったんですけど、急に(登板を告げる)電話が来て。『え、代わるんですか』みたいな感じでマウンドに上がったんですけど、逆にそれが良かったのかもしれないです」
価値ある回またぎ
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先頭の山本に11球粘られた末に四球を与え、ピンチを拡大してしまうが、続く上田をショートゴロに斬って取り、2点リードを死守した。続投した九回も先頭打者を四球で歩かせたものの、後続をシャットアウト。連敗を止める大きな白星をチームにもたらすとともに、同時に上原にはプロ初のセーブが記録された。
「すごい苦戦したというか、1個のアウトを取るのにすごい苦労した登板だったなと。正直、初セーブという実感はまだないですし、それよりも苦しかったな、というのが率直な(気持ち)」。33球を投じた末に勝ち取った初セーブをしみじみと振り返った。

今季いまだ防御率0.00
これで19試合連続の無失点リリーフを記録。7月上旬の1軍昇格以来、防御率0.00を維持している。「良い場面で投げさせてもらえるようになってからは、同じ気持ちで投げ続けています。きょうも『九回、行くよ』と言われても、それでもいつもと変わらない気持ちで練習して、ブルペンに入って準備して。こういう展開でこういうふうに投げることもあるんだな、というのも学べましたし、そういうときこそ、なんとか粘らなきゃいけないな、というのも考えていました」
徐々に登場シーンが変わっていく中でも〝いつも通り〟を貫いて積み重ねた無失点試合。もはや上原の存在は、チームにとって欠かせないものとなっている。
八回を終え、玉井(右)とタッチを交わす上原
試合後に〝斎藤節〟も披露
無失点リリーフについて「きょうで『19失点無失点』ですか(笑)」。先月22日のソフトバンク戦。ヒーローインタビューで、15試合無失点を「15失点無失点」と、かんでしまった斎藤の言葉を持ち出して報道陣を笑わせた。
「いつもそうやって僕ら言っているので(笑)」。ブルペン陣の雰囲気の良さを口にした。
すべては1アウトの積み重ね
次の試合でも無失点投球を披露できれば、自身の背番号と同じ「20」試合連続無失点となる。
「それは結果なので。とにかくアウトを一つずつ重ねていくだけかなと思います」。経験豊富なベテラン左腕が、激化する優勝争いの中で奮闘し続けていく。
九回2死一塁、ロッテ・西川を中飛に打ち取った上原