上原健太 4試合連続無失点 2軍での日々を糧に躍動「それが今、すごく生きているのかな」
六回、2番手で登板し、無失点に抑えた上原=撮影・松本奈央
■パ・リーグ15回戦 オリックス0-4日本ハム(7月13日、エスコンフィールド北海道)
2番手でパーフェクトリリーフ
日本ハムの上原健太投手(31)が2番手で登板。1イニングを3者凡退に斬って取り、この試合でも無失点リリーフをマークした。
今季初先発となった福島蓮投手(22)の勝利投手の権利をしっかりと守り抜いた。プロ10年目シーズンを戦う大型左腕が、ブルペン陣の一角としてその存在感を高めつつある。
今季2度目のエスコン登板で躍動
福島が毎回ランナーを出しながらも、粘りの投球で5回を無失点で投げきった。ともに鎌ケ谷で汗を流してきた後輩右腕が懸命につないだ勝利へのタスキ。六回から受け取った背番号20が、今季2度目のエスコンのマウンドで躍動した。
反撃を狙うオリックス打線を、わずか8球で料理。付け入る隙を与えなかった。「試合を壊さないように、しっかり勝ち試合を逃さないように、という意識だけでした。状態はそんなに良くはなかったですけど、それでもしっかり仕事はできたので、それが一番かなと思います」。安堵の表情を浮かべながら、好リリーフを振り返った。
六回、力投する上原=撮影・岩崎勝
自身の手で勝ち取るポジション
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6月27日の1軍合流後、これで4試合連続となる無失点リリーフだ。今季初登板となった3日のソフトバンク戦では、3点ビハインドの場面での登場だったが、以降は大量リードの九回、同点のシーン、そしてこの日と、徐々に登板機会が大事な局面へと変化しつつある。
「そういう場面で投げさせてもらえることは本当にうれしいですし、チャンスだと思うので。どんな場面の登板でも一緒ですけど、とにかく意味のある登板に、次につながるような登板にしたい。(登板の)場面はいろいろあるとは思うんですけど、一番は自分のボールを投げていくことだと思うので、まずはそこをしっかりできるように、そしてそれが常に自分のパフォーマンスとして出せるようにやりたいなと思っています」

リリーフに活路を見いだし再出発
1軍通算61試合の先発登板を数える上原だが、今季は12球団有数の層の厚さを誇る先発陣の争いに絡むことができず、2軍でキャンプイン。練習試合では先発登板の機会もあったものの、イースタン・リーグ開幕前に中継ぎへ転向。全てリリーフで19試合に登板しながら、1軍昇格のチャンスをつかむべく、懸命に戦い続けた。
結果、開幕から3カ月が過ぎた頃に、ようやく1軍切符を手にした。「(2軍では)1軍の舞台で楽しんで投げるためにやるべきことと、あとはアピールすること。そればかりを考えていたので、それが今、すごく生きているのかなという手応えを、少しずつ感じ始めています」。苦難の末にようやく手にした1軍の座を盤石なものとし、シーズン終了までこの舞台で戦い続けることを目指している。
狙うは勝ちパターンの座
現在、チームでクローザーを務めているのは、同じく2軍で開幕を迎えた柳川。1軍昇格以降、さまざまな起用法で好投を続けた結果、最も重要なポジションをつかみ取った。そんな後輩に上原も続こうとしている。
「柳川はクローザーという立場で、勝ちパターンの一人として投げている。自分もそういう勝ちの場面で使ってもらえるように、アピールしていきたいと思います」。チームにとっても貴重な存在である左のリリーバーが、勝ちパターンの一角の座を目指し、その左腕を振り続けていく。
