3年連続4強の札幌日大高 1番・帯川拳誓主将が4安打1打点も慢心なし【南北海道大会】
六回、この日4安打目となる左前打を放った札幌日大高の帯川=撮影・十島功
■全国高校野球選手権南北海道大会第4日(7月13日、札幌円山)
▽準々決勝 札幌日大高8-1函館大有斗
4打席連続安打も、本人が振り返った打席は…
切り込み隊長が、攻撃のリズムを作り上げた。一回、「1番・遊撃」で先発した帯川拳誓主将(3年)が中前打を放ち、きっちりとチャンスメーク。二進し「3番・中堅」の窪田洋祐投手(3年)の中越え二塁打で生還した。1番が出塁して中軸が返す理想的な攻撃は、良い流れを生み出す。この回は打線がつながり、3点先制することに成功した。帯川はその後も、二回に二塁打を放つと、四回には1死二塁から右中間を破る適時三塁打をマーク。六回も左前打を放ち、4打席連続安打とバットを振るたびに快音が響いた。
この日4安打を記録した札幌日大高の帯川
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しかし、帯川が目を向けたのは八回の第5打席だった。無死二塁の場面で犠打を2球連続で失敗し、最後は二飛に倒れた。「ランナーを進めたい場面で進められなかった。(犠打失敗で)追い込まれてから転がせばいい場面で、高めのボール球に手を出してしまった」。連覇を果たすために、隙を見せるわけにはいかない―。帯川の口ぶりからはそんな思いがにじみ出ていた。
守備面では内野安打にした打球を「本当に悔しい」
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守備ではこの日、守備機会が2度しか訪れなかったが、そのうちの一つはイレギュラーバウンドを弾いて内野安打としてしまった。対応の難しい打球だが、帯川は「その1球を捕り切るかどうか。きょう捕り切れなかった部分は本当に悔しい」。内野の要として、妥協を許さない姿勢を見せた。
主将としてチームを引っ張る札幌日大高の帯川
勝った試合でも課題に目を向ける理由
というのも、わずかなほころびから敗戦することが分かっているからだ。春季全道大会1回戦の北海戦。六回まで0-0と均衡していたが、終盤に失点を重ねて0-2で惜敗した。帯川は「自分たちの気持ちの部分で負けていた。勝ちに対する貪欲さを練習から出していこうとやってきた」。夏の大会は1球への執念が勝敗を分ける。だからこそ、勝利した試合であっても課題に目を向けるのは自然なことだった。
3年連続ベスト4進出。大会連覇まで、あと2勝だ。「自分たちのできることを徹底して、最終的には1点でも多く取っていればいい。やるべきことに集中したい」。優勝する最後の1球まで、油断することはない。
主将としてチームを引っ張る札幌日大高の帯川(右)