１年目のシーズンを終えた渋谷に、帯広の実家に帰省するという年末年始の楽しみを聞いた。「まず家に帰りたいですね。自分、猫が好きなんですよ。猫がいるので、会いたいですね。まめとみーちゃんです。７月（オールスター休み）に帰ったらもう忘れられていたので（笑）」。シーズン中も家族のグループＬＩＮＥで写真を送られてくるなど、癒やしとなっている２匹との再会が待ちきれない様子だった。

　続けて「お母さんの料理じゃないですか。オムライスが好きなので。あと、自分の１個上の先輩の家がご飯屋さんをやっているので、そこに行きたいですね」。声のトーンからウキウキ感が伝わってきた。

　そんな渋谷だが、１つ不安なことがある。今年１月に千葉・鎌ケ谷の寮に入って、１年ほど経つが「電車、乗れないです…。最近も自分の兄が新宿に遊びに来ていて、電車が分からないので（同期の）清水（大）と一緒に行きました。帰りも、清水は買い物してすぐ帰るといっていたのですが、お兄ちゃんが一緒にご飯食べようなって。結局、夜まで一緒にいてくれました。最初は船橋に行く時すら迷って…。調べるのはできるんですけど、どこに何番線があるのかなって…」。

　空港まで行くのは、電車に乗らないといけない。そこで救世主が現れた。同じタイミングで帰省する道産子の先輩、根本だ。東京方面に用事があるドラフト同期の山県と一緒に送ってくれることになったという。これには「オールスター休みの時も根本さんと一緒に帰りました。ガタシューさんも優しいです」と感謝しきりだった。

　優しい先輩たちのおかげで無事にたどりつけそうだが、年始は寮まで１人で戻らなければいけない。「何とか自力で。覚えている限りの道を行って。早めに帰ってくる予定なので、迷ってもいいように。来年は１人で遠出とかしたいですね」。ひたむきな姿に、心が洗われる気がした。