鎌ケ谷発企画「待ってろエスコンF」 第8回は渋谷純希投手
帯広出身ルーキーの渋谷=撮影・近藤裕介
育成2位 帯広出身のルーキー左腕に迫る
2軍で泥にまみれながら己を磨くダイヤの原石たちにスポットを当てた企画「待ってろエスコンF~鎌ケ谷チャレンジャーズの今に迫る~」。近い将来、新球場のスターになる可能性を秘めた若きタレント候補の現状を掘り下げる。不定期連載の第8弾は、帯広出身ルーキーの渋谷純希投手(18)。育成2位で入団した左腕は今季、2軍の最終戦で目標だった150キロをマークするなど、めざましい進化を遂げている。現状の取り組みや、1日の過ごし方など、成長の秘密に迫った。
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―9月28日の2軍ヤクルト戦で、自己最速の150キロをマーク。振り返って
「出てましたねー。初めてです。147キロがMAXだったんですけど、あの日は48、49、50と、一気に上がりましたね。びっくりです」
1年目で目標の150キロをクリア
1月8日、新人合同自主トレの渋谷
―150キロを1年目の目標にしていた
「はい。一つ山を登れたので、ここから、という感じですね。ノルマをクリアできました。本当に最後の最後で出すことができて、出したい数字だったので、良かったです」
―150キロ出せた要因は
「コンディショニングも良くて、最後の試合、若さん(若林)の引退試合で、やるしかないというアドレナリンじゃないですかね」
―4月の2軍でのプロ初登板は、3安打2四球で2失点を喫し、1死しか取れずに降板だった。そこから、成長した実感は
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「そうですね。最初のワンアウト交代から始まって、まだ全然、コントロールが定まっているわけではないですけど、打たせて取ったり、三振を取ったり、全然まだまだですけど、うまくタイミングを外す変化球も投げられたり、自己満足にはなりますけど、ちょっと成長したなという感じはありますね」
4月20日オイシックス戦(鎌ケ谷)、2軍でのプロ初登板を果たした渋谷
86キロから96キロまで増やしたが
―ルーキーイヤーを振り返って
「1年目は土台づくりと決めていたので、土台づくりをずっとやってきました。体重も、筋肉量もだいぶ上がりました。体重は(プロに)入った時に89キロで、2月の沖縄(キャンプ)で86キロまで痩せてしまって。そこから、鎌ケ谷に帰ってご飯を食べて、96キロまで上がって、ちょっと動けないなという感じだったので、今は93キロを維持しています。ほぼ、毎日ウエートをして、除脂肪体重で5キロ以上は増えました。久しぶりに会った人には、でかくなったねと言われますね」
―ウエートトレーニングにはこだわりがある
「そうですね。みんなと同じメニューをやってもダメというか。自分は自分なりのウエートをしています。トレーナーさんから教えてもらったメニューにプラスして、自分でやりたいメニュー、種目をやっています。メニュー数を増やして、自分で大事だと思うものを取り入れています。みんなと同じことをやっていてもダメなので、時間はかかるんですけど、こだわってやってます。3時間半ぐらいかけてウエートすることもありましたね」
睡眠は大事なので
―1日のスケジュールは
「朝は5時20分に起きて、朝風呂に入りまして、6時20分ぐらいから朝活動に行きます。庄司さん(教育ディレクター)と新人みんなで、ここ(鎌ケ谷スタジアム)を1周、散歩して、ミーティングをして、朝が始まる。6時40分ぐらいから朝ご飯を食べて、7時40分ぐらいに室内に行ってアップ、体を伸ばしたりして、9時から全体練習。10時過ぎに終わって、そこからウエートして、昼ご飯が1時過ぎですね。練習が終わった後は結構、長風呂します。体をほぐして、ストレッチしたり、いろいろやっていたら6時になって、夜ご飯を食べて、7時ぐらいから有酸素運動をして。脂肪がついてきたので、30分ぐらい歩いて、7時40分にまたお風呂に入って、8時前ぐらいにストレッチして、9時前に山城さんとマリオカート(笑)。9時半には寝ています。睡眠は大事なので。オフの日は、アラームをかけないで、10時間ぐらい寝ています」
9月28日2軍最終戦セレモニーで、稲葉監督の話を聞く渋谷(中央)
先輩たちには自分から話しかけるようにしています
―寮で1年過ごして、頼りになった先輩は
「(細川)凌平さんじゃないですかね。凌平さんは何でも教えてくれる。ストイックですし、良いことも悪いことも、しっかり言ってくれる。そういう先輩、いいなと思います。何も言わずに、裏で悪口を言うのではなくて、しっかり表で言ってくれる。とにかく優しいですね。たまに一緒にマリオカートをやるんですけど、やりながら試合のことについてとか、何でも教えてくれますね。先輩たちには、積極的に自分から話しかけるようにしています。そうすると、自然と先輩も話してくれたりするので。積極的に聞いたり。もとから、賑やかな性格なので、自分から行きますね。両親とも元気なので、家が静かなことがなくて、ずっと賑やかでした」
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―今後、エスコンフィールドで投げるために、どう階段を上がっていきたいか
「1年目は土台づくりと、MAX150キロの二つを目標にしていて、一つはクリアできた。体づくりはクリアがないので、来年も再来年以降も継続ですね。自分の長所は真っすぐで空振りが取れることで、短所はコントロールが荒れていて、変化球でうまくカウントだったり、空振りが取れていないので、引き出しが少ないこと。フェニックス・リーグから、変化球は意識したいです。真っすぐに頼りっぱなしだったので、変化球でどれだけカウントを取れるか。決め球もですし、いろいろ試していって、シーズンが終わって冬が勝負ですね。ピッチャーなので走り込んだり、もう一回体を見つめ直して、オフこそ、自分に厳しく。2年目は1年目より実戦が増えると思うので、まずけがをしないことと、自分をもっと見てもらえるように、アピールしていきたい。今年は結果は気にしなくていいということでしたけど、結果以上に内容が大事なので。2月の沖縄の紅白戦とかは、新庄監督も、みんなが見てくれているので、そこでアピールして、自分の良さを見てもらって、2年目の(支配下昇格期限の)7月31日までに(1軍に)行けたら理想なんですけど、そんな甘くはないと思う。(新庄監督から)DMがまだ来ていないんですよ。来るとしたら、支配下に上がるときだと思う。DM、来たらうれしいですよね。自分をもっと出していきます」
8月15日プロアマ交流戦(エスコン)で登板した渋谷