山県秀 ルーキーイヤーを支えてくれた伏見の存在 「寅威さんなしでは語れない」あふれ出る感謝の思い
ベテラン・伏見(左)に支えられながらルーキーイヤーで成長を遂げた山県
報道で知った阪神へのトレード
日本ハムの山県秀内野手(23)にとって、阪神に移籍する伏見寅威捕手(35)は「プロ野球を教えてくださった先輩」だった。右も左も分からなかったルーキーイヤー。経験豊富なベテラン女房役は、親身になって寄り添ってくれた。
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トレードは報道で知った。「えっ…から言葉が出なかったです。最初は信じられなかったです。いつかはお別れの時期は来るものですが、本当に覚悟っていうか…。お世話になった先輩なので。タイガースに行っても、ちょっとでも自分のことを思い出していただけたらうれしいです」。神妙な面持ちで言葉をつないだ。
何もかも初めての中で見ていた背中 バントの参考動画も…
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プロ1年目の今季は84試合に出場。持ち前の守備だけではなく、バッティングでも存在感を示した。「今年1年の成長は寅威さんなしでは語れない」。何もかもが初めての中で、支えてくれたのが伏見だった。
バントで悩んでいた時期には、参考になる動画を見せてくれた。「バントだけじゃないんですよ。(教わったのは)野球、全部。それこそ寅威さんと自分ってバッターだったら似たような役割をするわけじゃないですか。下位(打線)で寅威さんが(打順)前だったり、後ろだったり。寅威さんが背中で見せてくれる。プラス寅威さんに助けてもらいましたし、その話をすることもある。こういう考えでやっているっていうのを全部、寅威さんが教えてくれた。本当にいろんな人に出会えてうれしい1年でした」。
6月29日の西武戦前に伏見(左)からバントのコツを教えてもらった山県
逆に新しい楽しみも
〝寅威ママ〟と呼ばれる先輩捕手は、いつも優しく包み込んでくれた。「ファイターズのキャッチャー陣はすごいコミュ力があって、親しみやすい。郡司さんも田宮さんも感謝しかないですし、逆に楽しみで交流戦が。甲子園で寅威さんがキャッチャーをやっているのを想像したら。紅白戦で思ったんですよ。キャッチャー寅威さん、自分がバッターで。いつも寅威さんが配球の話とかばかりしているので、あんなこと考えているんだろうなとか思って(打席に)入ったら全部逆をつかれて。それがもう楽しくて。さみしい気持ちもありますけど、なんかそういう新しい楽しみもあります」。
対戦したら1本打てるように
プロ2年目を迎える来シーズンは、さらにレベルアップを図り、お世話になった先輩を少しでも安心させたい。「寅威さんがいなくても、今はやれるぞっていうのを見せられたら。心配してくれたらうれしいですけど、あまり心配していないと言うと思うので。寅威さんがキャッチャーの時に1本打てるように。寅威さんを苦しめられるように。対戦を楽しめたらいいですね」。何度も口にした「寅威さん」への感謝の言葉。そのまっすぐな思いは、きっと届いている。
7月4日の楽天戦、水谷の勝ち越し打で生還した伏見(右から2人目)を笑顔で迎える山県(左)
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