山県秀 今振り返るあの日のこと 周東への謝罪、新庄監督から届いたDMの内容は
19日のソフトバンク戦、守備の際にソフトバンク・周東と交錯し、倒れる山県(右)
鎌ケ谷の2軍施設でリハビリ中
日本ハムの山県秀内野手(23)が、千葉・鎌ケ谷の2軍施設でリハビリに励んでいる。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第5戦で、二盗を狙ったソフトバンクの周東と交錯して左大腿(だいたい)部を挫創。24日はウオーキングを行うなど汗を流し「歩くの問題なしで、階段とかでも歩き始めて。キャッチボールとスイングはしていますね」と笑顔で明かした。
【ファイターズ 関連ニュース一覧】
無我夢中のプレーだった。盗塁を試みた周東のスパイクが、二塁ベースカバーに入った山県の左膝に直撃。「自分的には打撲だと思ったんですけど…。衝突の痛みだったので。とりあえずアウトだと思ったのでリクエストしようとした時に自分の膝がパッと見えて、傷が見えたんですよ。へっ?と思って、メンタルやられて倒れました」。その場で倒れ込み、担架で運ばれた。
19日のソフトバンク戦、守備の際にソフトバンク・周東(右奥)と交錯する山県(左)
周東さんに申し訳ない気持ち
患部を見て、自分が置かれている状況が分かった。「えぐれているのが見えて。人生で10針くらい縫っているので。頭とかおでことか縫った経験あったので、これは絶対、縫うやつだって。この試合出られないな、終わったと思いました」。周東は治療のためいったんベンチに下がったものの、出場を続け「ぶつかった時、自分の膝が最後走路に入っちゃったので、周東さんに申し訳ない気持ちがありますし、謝っておいてください」と神妙な面持ちで話した。
北山らと食堂で第6戦を見ながら胸中は…
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
CSファイナルステージでは、第3戦で本塁打を放つなど存在感を発揮していた。無念の途中交代となり、福岡市内の病院で縫合処置を受けた。第6戦はベンチから外れ、北山らと食堂で見ていた。チームは1―2で敗れ、日本シリーズ進出ならず。「(試合に)出させてもらっているのがありがたい立場なので、あの時は応援しようって気持ちでした。出たいって気持ちもありますけど、自分個人としてはこういう終わり方した方が。チームとしては悔しい結果ですけど、個人としてはけがで終われたのは、何か自分に伝えたいメッセージもあるのかなって感じですね」
17日のソフトバンク戦の七回、ソロ本塁打を放つ山県(中央)
負傷した日の夜に届いたボスからのメッセージ
そう前を向けたのは、負傷した日の夜に新庄監督から届いたメッセージのおかげだった。「ボスからDMが来たんですよ。悔いしか残らないプレー、野球脳と実力不足だって言われて」。厳しい言葉の数々をしっかり受け止めた。「自分もそう思っていましたし。もちろん自分の実力不足だったので何とも言えないですけど、自分としては自分の実力が出たと思うので。自分の実力が出た結果、けがをしたので。実力を出せずに終わることより、自分としてはそれをどう受け取るかだと思う。そこはありがたいことというか、幸せなことだなと思いながら。その日もすっきり寝れました」
【2000円お得! 道スポの年払いプラン】
指揮官はシーズン中からSNSのDMを通して、スタメン告知や助言を送ってくれていた。「(監督からは)今後につなげていこうなって話もあったので、本当に自分としては起きたことはしょうがない感じですかね」。今後は患部の抜糸を行い、ジョギングも再開する予定。CSという大舞台での経験は「とんでもなく高い授業料(笑)」。23歳の若武者にとって、全てが糧となる。
鎌ケ谷の2軍施設でリハビリに励んでいる山県=撮影・中田愛沙美