【激戦の裏側】山県秀 「めったに出ない」〝雄たけびガッツポーズ〟 うれしかった先輩たちからの感謝の言葉
20日のロッテ戦、九回2死、二塁打を放ち、雄たけび&ガッツポーズの山県=撮影・松本奈央
20日のロッテ戦で値千金の〝フェン直〟二塁打
日本ハムのドラフト5位ルーキー・山県秀内野手(23)が逆転優勝を目指すチームで存在感を発揮している。
20日のロッテ戦(エスコン)では、守備から途中出場し、7-7の九回に2死から中堅フェンス直撃の二塁打をマーク。浅間大基外野手(29)のサヨナラ打をお膳立てした。
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チームの勝利を追い求めるあまりに…
あと少しでスタンドインの打球だった。1ボールからロッテ・横山の直球をフルスイング。センターの頭上を越えるフェンス直撃の当たりを放ち、二塁上で雄たけびを上げながら両手でガッツポーズした。

「気付いたらガッツポーズしていました。試合中ですし、あんまり勝負が決まるまでは良くないかなって。そこは反省点です。場面も場面ですし。(試合序盤は)ベンチから見ていたんですけど、ああいう試合を落としたら…。勝たないといけない試合だったので。なんとかあの回で決めてほしいなって。雰囲気があれで変わったなら良かったです」
山県史上2番目のバズり
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無我夢中のプレー。SNSでの反響がすごかった。
「インスタ(グラム)のメンションの数が、2打席連続ホームランの次くらいに多かったです。史上2番目くらいでした。うれしかったです。自分は普段、ああいうことやらないので、めったに出ないよっていう。レアだよって」。照れ笑いを浮かべた山県が、自ら口にしたのがチームメートへの感謝だった。

郡司が、水野が…
「今まで先輩方に助けてもらってばかりで、あの日の試合後に『マジ助けられた』といろんな先輩に言っていただいて。郡司さんとか『おまえ、すごいな、俺も(あんな打球)打ったことないぞ』って。水野さんも『(打球が)かち上がりだったな~』とか言ってくれたので。自分が今まで助けてもらった分に比べたら、大したことではないので、うれしい気持ちとまだまだ(恩を)返し足りないいうか。これから何年もかけて、先輩たちに返していけたらいいです」。仲間の優しさに触れ、新たな決意を固めた。
ブレない姿勢 さらなる成長へ
その日、お立ち台に上がったのは、サヨナラ打を放った浅間1人だった。「サヨナラを打った選手がヒーローです。逆にヒーローにならない方が謙虚でいられるので。『謙虚でいろ』って意味だと思う。(内容が)良かった後に、どれだけできるかだと思うので、そこはずっと課題ですよね」
翌21日の同戦は「8番・遊撃」で先発起用も、4打数無安打に終わった。その謙虚さが成長の原動力なのかもしれない。
20日のロッテ戦、九回2死、二塁打を放った山県=撮影・岩崎勝