山県秀 衝撃2発の裏側 打撃の〝師匠〟郡司裕也がアドバイスを送ってきたワケ
9日のソフトバンク戦、六回1死一塁、2打席連発の本塁打を放った山県(右)を迎える郡司
ソフトバンクを沈めた価値ある2連発
日本ハムの山県秀内野手(23)が9日のソフトバンク戦(エスコン)で、打った本人も驚きの2打席連続本塁打を放った。それも、難攻不落の左腕・モイネロから、同点弾と貴重な追加点となる2ランだった。
「郡司さんがキャンプからずっと面倒見てくださっているというか、しっかり振らないと、野球はホームランだと言ってくれているおかげだと思う。郡司さんに感謝の一発、そういう感じですかね」。試合後には、郡司裕也捕手(27)への感謝を語っていた。
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感銘を受けたアドバイス
早大時代は六大学リーグ戦でゼロ本塁打。今年2月の春季キャンプ。慶大出身の郡司にあいさつすると「バットをボールに当てにいきすぎてんじゃねーの?」と声をかけられた。それがきっかけで、しっかり振ることを意識。「野球はホームランだから」という〝金言〟を胸に刻み、6月4日の阪神戦(エスコン)では、公式戦に限れば、小学生以来の一発となるプロ初本塁打をマークした。
山県にとって、まさに郡司は〝師匠〟のような存在。当の本人は「そんな言われるほどのことはしていませんよ」と謙遜しつつ、「この前、僕が脅しただけです(笑)。誰のおかげだ?って。誰のおかげで打てたんだ? 郡司さんです よしって。もちろん冗談ですよ。言わせているので」と明かした。
アップをする山県(右)と郡司
六大学3冠王の鋭い分析
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なぜ初対面で「バットをしっかり振れ」とアドバイスしたのか―。慶大時代に東京六大学の3冠王に輝いた実績がある郡司には、ある確信があった。
「六大で250打席くらい立って(※244打席)、ホームラン打てないことってまずないので。普通にバッティングしていたら1本くらい打てるので。神宮ですから。でも、打っていないってことは打とうとしなかった。打ちたくなかったまで、あると思います。普通に何も考えずに打ったら、1本出るんです。打たないようにしていたんだと思います」

〝弟子〟の成長に目を細める
山県は打撃フォームを試行錯誤するなど、9月に入ってから好調を維持している。
「すごいっすよね。あんなフォームチェンジして、モイネロから2発打てる男になるんですから。賢いんでしょうね。努力の仕方が。自分で考えて、頑張っているんでしょう。僕はきっかけになったかもしれないですけど、そこから頑張ったのは彼ですから」と、たたえた。
早稲田と慶応といえば、私学の雄としてライバル関係にあるが「敵対意識はないですから(笑)。学歴高い同士ですから。嫌らしいですね。そういうこと言うと」とニヤリ。プライベートでも交流を深めており、焼き肉へ連れて行くなど「アイツ、暇なので誘ったら来るんですよ」という。
2人の呼び名は「ぐんがた」、「ぐんしゅー」!? 日本ハムに素敵な〝師弟関係〟が生まれていた。
試合前練習で笑顔を見せる郡司(右)と山県