郡司裕也 死球受けてペコリの真相と裏側 九里にかけられた〝褒め言葉〟が励みに
5日のオリックス戦、四回2死、九里から死球を受け、オリックス・若月(左下)と目を合わせる郡司=撮影・井上浩明
??だったあのシーン 実は…
日本ハムの郡司裕也捕手(27)が5日のオリックス戦(京セラドーム)で注目された死球後の行動について真相と裏側を明かした。
死球を受けた後、帽子を取って謝罪してきた九里亜蓮投手(34)になぜか、ペコリ。当てられた方が申し訳なさそうにする不思議な光景が広がった。
オリックスの九里亜蓮投手
74キロのナックルカーブが左肩へ
この試合の四回2死。九里が2球目に投じた74キロのナックルカーブが抜けて、左肩付近に当たった。ばつが悪そうな顔をしたのは、郡司だった。一塁へ向かう足取りも重かった。
後日、山なりのボールが当たった左肩の状態に触れると「もう激痛でした。本当に。今でもあざになってしまって」と、照れながら笑いに変えていた。
九里から死球を受けた左肩を確認する郡司
郡司の胸の内は 「ごめんなさいと」
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もちろん、傷一つ負ってはいない。なぜ、九里に頭を下げたのか―。本職が捕手。本能的に、相手バッテリーの気持ちを察したのかもしれない。
「全然、避けられる球だったのに当たりに行ったみたいになっちゃって。気付いたら当たっていたので一応、ごめんなさいと。あれぐらい避けろよと言われそうですし、世間体を気にしました」と真相を打ち明けた。
四回、オリックス・九里から死球を受け、ペコリと頭を下げる郡司=撮影・松本奈央
ユーモアあふれるアイデアマンも今回ばかりは自重
実は、死球を受けた瞬間、別のパターンも頭をよぎったという。「めっちゃ痛がる演技とかしたら、おもろいかなとも思ったんですけど、さすがにオールスターじゃないのでやめました」。真剣勝負に水を差してはいけないと、わきまえている。冗談半分のアイデアだったが、ファンに喜んでもらおうとする精神が備わっている。

翌日に直接対話
翌6日には、当事者間で直接、会話する機会が訪れた。
「(伏見)寅威さんとしゃべるついでに、九里さんから『当てちゃったから謝りに来たんだけど』とか言われて。何を言っているんですかと。逆にありがたいです、出塁率が上がりましたと言っておきました」と、ほのぼのしたやりとりに触れた。
会話の途中で「ああいう変な球を投げないと抑えられないから」と付け加えられたそう。きっと、これが本音だ。郡司は「褒めなのかイジりなのか、分からないですけど、そう言っていただいたので。優しいですよね」と目を細めた。
強打者の証し!
インコースを厳しく突かれるケースが多く、死球の数が増えている。それでも気持ちは至って前向きだ。「攻めないといけないバッターになってきたということにしましょう。僕、当たり方がうまい方だと思う。当たり方が大事」
強打者として認められ、警戒されたからこそ起きた珍現象だった。
