郡司裕也 驚異の粘りでサヨナラお膳立て 野村に大手柄を譲った?「わがままな後輩にね、たまにはー」
九回2死一、二塁、郡司が内野安打を放つ=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ19回戦 オリックス5-6日本ハム(8月19日、エスコンフィールド北海道)
しぶとく勝負強く劇的勝利をアシスト
日本ハムの郡司裕也捕手(27)がスタメン出場し、驚異の粘りでサヨナラ勝ちをお膳立てした。
九回2死一、二塁から内野安打で満塁。仲の良い野村佑希内野手(25)に花を持たせた。
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今季、3度の劇打を放っているサヨナラ男が珍しく、主役を譲った。2点を追った九回2死一、二塁。オリックス抑えのマチャドと対戦した。160キロの直球にしぶとく食らい付き、9球目の150キロチェンジアップを叩きつけると、打球が大きく弾んで三塁内野安打。持ち味の強打とは正反対の泥臭い安打で大チャンスを演出した。
九回2死一、二塁、郡司が内野安打で出塁する
最後の打者になっていた可能性も
1アウトで試合終了のピンチでも、悲壮感はなかった。対応できる自信があった。
「(自身の)状態の良さがうかがえますね(笑)。普通はどこかの球で三振しているんですけど。マチャドがすごい球を投げていて。ファウルで逃げている時、なんか今の状態なら大丈夫そうという感じがありました」
シナリオ通りにはいかずとも…
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必死の一打は報われた。次の野村が大逆転のシナリオを完結させた。普段から気にかけている後輩の活躍はうれしかった。しかし、単純に褒めたりはしない。
「本当はあいつ(野村)に回す前に、僕がスリーランで決める予定だったんですよ。それがたまたまね、良いところに飛んで。ジェイにつながりましたから」と、ちょっぴり悔しい素振りを見せた。
試合後はかわいい後輩と〝舌戦〟
一方で、野村はお立ち台で「いつも郡司さんが(声援を)受けていたので、ちょっとうらやましかった。きょう1人でこれを聞けるとなると、本当にもう感無量」と先輩を引き合いに出して喜びを表現していた。
これを聞いた兄貴分はあくまでも大手柄を譲ったというスタンスを崩さなかった。野村の発言を受けて「わがままな後輩にね、たまには(サヨナラを)味わわせてやろうかなと。また、なんか言っていましたね、ヒーローインタビューで。もう僕をイジりたくてしょうがないんですね、彼は」と、少しヤンチャな弟分をたしなめていた。
ヒーローインタビューで郡司の名前を出す野村
新庄監督のアドバイスが奏功
この日の3安打で打率は3割を超えた。好調の理由は、改良した打撃フォームにあり「7月頭ぐらいにボス(新庄監督)から『スタンスを狭めろ』というアドバイスをいただいて。僕は今年、スタンスを広げて、体を使って打球を飛ばそうとしたんですけど、あまり最初はうまくいかなくて。ボスの言葉でうまく体が回転して打てるようになって。だんだん余裕が出てきて、今はリラックスできている」と打ち明けた。
五回1死一塁、郡司が中前打を放つ
逆転Vへ向かうチームにとって不可欠な存在
打線のつなぎ役、ポイントゲッターとして欠かせない存在。そして本職の捕手に加えて内外野をこなせる貴重なプレーヤー。シーズン佳境に入り、郡司の存在感がどんどん増している。