山県秀 1軍再昇格 ファームでは「人生で一番、バント練習した気がします」 一方で、ホームラン5本を要求した先輩は?
1軍に再昇格した山県=撮影・小田岳史
■パ・リーグ22回戦 ソフトバンク―日本ハム(8月24日、エスコンフィールド北海道)
優勝争い真っただ中での再昇格
日本ハムの山県秀内野手(23)が24日、1軍再昇格した。今月7日に出場選手登録を抹消され、2週間ほど鎌ケ谷で汗を流してきた。チームはソフトバンクと激しい優勝争いを繰り広げており、「この空気を感じるだけでも、ありがたいです。楽しめたら良いかなと思います」と意気込んだ。
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チーム事情で2軍行きも「できることをしっかりやろう」
ルーキーイヤーの今季は4月15日に1軍初昇格をを果たし、持ち前の守備力を発揮してきた。6月4日の阪神戦(エスコン)では、プロ初本塁打をマーク。奮闘を続けていたが、チーム事情もあって2軍落ちを告げられた。
「ずっと1軍にいたかったので、もちろん悔しいとかそういう気持ちはありましたけど、1軍にいてもファームにいてもやることは一緒。自分がどれだけ成長できるか考えながら過ごしていた。そんな悲観することなく、自分ができることをしっかりやろうと。しっかり1軍で出た課題をファームで克服できるようにやっていました」

佐藤2軍打撃コーチから貴重なアドバイス
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1球、1プレーが勝敗を左右する1軍で浮き彫りになった課題の1つがバントだった。「一番はバントですね。やっぱりバントが決まらないと自分みたいなタイプは生き残っていけない。人生で一番、バント練習した気がします」
貴重なアドバイスをくれたのが、佐藤2軍打撃コーチだった。「友亮さんです。感覚で教えてくださって、メンタルの部分の方が大きいと。みんながバッティングを2箇所で(交互に)やる時に1箇所を全部バントとか。夜(室内に)バントしに行ったりとか。猛練習って感じじゃないですど、しっかりどうやったらできるようになるか考えながらやっていきました」

あの選手からまさかの指令!?
2軍降格時には、首脳陣、チームメートからさまざまな声かけがあった。「(林)ヘッド(コーチ)から『しっかり結果を残してこい、あとバント』と。自分のスタイルの確立というか、自分がどういう選手になっていくか考えながら。先輩方からも(松本)剛さんや郡司さんとかいろいろ声をかけてくれた。ありがたいことだなって。剛さんからは『絶対に必要な選手だから、ファームでもできることをやって』と。郡司さんは『ホームラン5本打ってこい』と(笑)」
すべてをプラスに前へ
「尊敬する先輩」だという郡司からは常に「野球はホームランだから」と言われてきた。高いノルマを設定されたが、2軍での本塁打は「ゼロですね」。そのことを報告すると、こんな返答があった。「郡司さんにはバッティングを教えていただいているので。やり直しって言われました(笑)。1軍で結果を残すために、1軍でどれだけチームに貢献できるかだと思う。自分にとっても必要な時間だった。ファームでも試合に出させていただいて、自分の課題にチャレンジする、克服する機会を与えていただいたのはありがたいことです」
約2週間ぶりに戻ってきた1軍の舞台。ファームでやってきたことを出せば、結果は付いてくるはずだ。
