山県秀 1カ月半ぶりに決めた犠打 その裏にあった先輩、首脳陣の支え「みんなアドバイスしてくれて…」
14日の西武戦、五回無死一塁、犠打をきっちり決めた山県がベンチ前でチームメートの祝福を受ける
見事成功したバントに周囲から祝福
日本ハムの山県秀内野手(23)が14日の西武戦(東京ドーム)で先制点につながる犠打を成功させた。
0-0の五回無死一塁で迎えた第2打席。相手先発・隅田が投じた初球を投前にしっかり転がし、ホッとした表情。ベンチに戻ってチームメートから祝福を受けると、あどけない笑みがこぼれた。「ベンチで(周囲から)やっとか~って。初めて(犠打が)キレイに決まったんですよ。自信というか一個決まってホッとしているのもありますし、もう本当にうれしかったです」
ホームランよりうれしかった
犠打が記録されたのは5月27日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)以来、およそ1カ月半ぶりだった。「いや~本当にいろんな人にあいさつというか、おかげさまでって。こう言って良いのか分からないですけど、ホームランよりうれしかったです」と興奮気味に振り返った。
14日の西武戦、五回無死一塁で犠打を決める山県
犠打は課題の一つ
堅守が売りの山県にとって、犠打は課題の一つだった。東京ドームで行われた6月17日の巨人戦。バントのサインが出たが、投ゴロ併殺に倒れ、新庄監督から「ああいうのを決めていかないとレギュラーを獲れない」と苦言を呈されていた。試合前にバント練習を繰り返すなど必死に取り組んでいると、首脳陣、先輩たちが助言をくれた。
それぞれからの助言がついに形に 「自分の力で決めた感じがしない」
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「(伏見)寅威さんと(中島)卓さんにアドバイスしてもらっていて、(外野守備走塁コーチの森本)稀哲さんが〝バント担当コーチ〟だった。ボス(新庄監督)もバント期待していないからと言っているんですけど、アドバイスしてくれて。(打撃コーチの)八木さんもそうですし、みんなアドバイスしてくれて。本当に自分の力で決めた感じがしない、うれしいバントでした」。バントミスをした際に寄り添ってくれた先輩捕手に、通算255犠打を記録しているベテラン、監督、コーチが手を差し伸べてくれた。
勉強になるアドバイスばかりだった。「やっぱり自分でどうやったらいいか見つけるのが一番と言われていて、寅威さんはいろんな方の動画を見て、こうやってやるといいよ。卓さんには自分はヘッドが寝ちゃうので、オレは左手立てているイメージだと。それもやって。稀哲さんはピッチャー前に殺せって。ピッチャー前にバントして東京ドームでゲッツーになったじゃないですか。あれから入ったらいいんじゃないかって。そしたらピッチャー前に転がって、勝手に一塁アウトになるからって。この前はそれで決まってうれしかったです。八木さんもコースだけ決めて、しっかり当てるだけだ。ボスも右手で取るだけと」
7月1日、ソフトバンク戦の試合前練習で新庄監督(左)と話す山県
先制弾につながる流れ呼び込んだ
その試合、山県のバント成功で1死二塁とチャンスが広がり、水谷の先制2ランが飛び出した。「ジェッシーさんがホームランを打ったのであまり関係なかったですけど(笑)。いい流れになってうれしかったですね」。真面目なルーキーと、親身になって支えてくれる人たち。1本の送りバントの裏には、心温まるドラマがあった。

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