山県秀 好守に安打も「バントミス」反省 奮闘するルーキーには温かく見守ってくれる先輩、恩師がいる
五回2死二塁、西武・源田の打球を捕り、一塁に送球する山県=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ10回戦 日本ハム2-3西武(6月28日、ベルーナドーム)
日本ハム・山県秀内野手(23)が、「9番・遊撃」でフル出場。五回の守備では華麗なジャンピングスローを披露し、八回には左前打を放った。
「最初の方にたたみかけられていたら…」
見せ場を作ったものの、チームは逆転負け。「1点差で負けたので、最初の打席のバントミスが一番悔やまれるかなってところで。しっかり切り替えできて、後半とか足が動いていたし、いいところもあったんですけど…。最初の方にたたみかけられていたら、1点あれば話が変わってきたと思うので、しっかり反省して、またしっかり決められるようにしたいです」
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悔やんだのは、三回無死一塁で迎えた第1打席。送りバントのサインが出たが、左飛に倒れていた。犠打が決められずに苦しむルーキーには、気に掛けてくれるチームメートがいる。通算254犠打を記録しているベテランの中島もその1人だという。
三回無死一塁、山県が1球目にバントを試みるもファウルとなる
犠打の名手が気遣い「卓さんもいろいろ教えてくれたり」
「卓さんもいろいろ教えてくれたり、いろんな方々の教えを少しでも(生かして)バントできるようにやっていきます。1個決まれば、大丈夫だからとみんな言ってくれる。その1個が決まるまでは、練習するだけかなと思います」と前を向いた。
幼少期に何度も観戦に訪れた球場「実家から1時間かからない」
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敵地・ベルーナドームでの3連戦は、3月末の開幕カード以来。国分寺市出身の山県にとって、幼少期に何度も観戦に訪れた球場でもあった。「よく来ましたね~。実家から1時間かからない。一番近い球場なので。交流戦でジャイアンツの試合を見に来たり、ライオンズとホークス、ファイターズの試合を見たり。グラウンドにいるほうが、違和感あります」。試合前にはスタンドを見渡し、初々しさをのぞかせていた。
八回、山県が左前打を放つ
リトルシニア時代の恩師が応援に
この日は、中学時代に在籍した「稲城リトルシニア」の森川博紀監督(50)も観戦に訪れていた。山県の母からもらったという手拭いを持参し、バックネット裏から熱視線を送っていた。
高校で野球をやめるのを思いとどまらせてくれた人でもある。大学で理系の道に進むことも考えていたが、相談した際に「もったいないからやれよ」と背中を押してくれた。
山県の恩師・稲城リトルシニアの森川博紀監督
やめずに「続けていてよかった」
「高校の同級生が一緒にやろうと誘ってくれたことになっているんですけど、その前に監督、コーチ全員から野球を続けたほうがいいと反対を受けて。続けていてよかったです」。早大で頭角を現し、ドラフト5位で日本ハムに入団。温かい周囲の人たちに支えられ、山県はいまプロ野球選手としてグラウンドに立っている。