【一問一答】山県秀 プロ1号 助言をくれた郡司に感謝「郡司さんに言えって言われたわけじゃない(笑)」
四回2死一塁、山県が2点本塁打を放つ=撮影・桜田史宏
■セ・パ交流戦2回戦 阪神4-5日本ハム(6月4日、エスコンフィールド北海道)
日本ハムドラフト5位ルーキーの山県秀内野手(23)がスタメン出場し、四回にプロ1号2ランを放った。公式戦に限れば、小学生時代以来の一発。試合後は助言をくれた郡司裕也捕手(27)への感謝を口にした。ヒーローインタビューと取材に応じた一問一答は以下の通り。
【ヒーローインタビュー】
―今の気持ちは
「やりましたー!」

―大歓声を浴びて
「本当にここまで監督、コーチ、先輩方を含めて、いろいろ声をかけてくださって、本当におかげまさで打てたホームランだと思うので、めちゃくちゃうれしかったです」
―狙いは
「1打席目はすごい変化球で攻められて、2アウト一塁で足の速い剛さんがランナーにいたので、真っすぐが来るかなーと思って、真っすぐを思いっきり振りにいけたので、良かったなと思います」
―手応えは
「今までの野球人生で一番、感触の良い当たりだったかなと思います」
―ダイヤモンド回っている時の気持ちは
「まさか入るかと思って、思わず笑顔になってしまったんですけど、ダイヤモンドを一周することが今まであまりなかったので、しっかり幸せをかみしめながら走りました」
―記念球は
「(見せながら)もらいました」
―どうするか
「初ヒット、初打点は家族にあげたので、そろそろ自分の部屋に飾って良いかなと思うので、自分の部屋に飾ろうと思います」

―早大がリーグ優勝を決めました
「試合前に優勝したというのを聞いて、自分の後輩たちなんですけど、友達のように仲が良かった後輩たちなので、本当にうれしくて、きょう頑張ろうという気持ちになりました」
―あした以降への意気込みを
「あした以降も引き続き、全力でプレーして、1勝でも多くチームのために貢献できるように、これからも日々、楽しんでまいりますので、応援のほどよろしくお願いします」
【囲み取材】
―ホームランボールはどう戻って来たか
「ファンの方が取ってくださったので、バッティンググローブと交換して」
―野球人生で一番の当たりだったと
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「はい。今まであまりホームランを打ってこなかった人生だったので、野球人生の中でも一番の感触というか、手に少しボールの重みが伝わったような、重みが少し残っていたので、自分の中では一番良い当たり方をしたのかなと思います」

―初球の直球だった。振り返って
「日頃から、郡司さんに『しっかりバットを振れ』と言われてきたのが、やっとホームランになったのかなと。『野球はホームランだから』って郡司さんに常に言われていて。これ郡司さんに言えって言われたわけじゃないですけど(笑)。バットをしっかり振れと言われていたので、やっとその結果が出たのかなと思います」
―東京六大学では本塁打0。高校時代も
「公式戦は0です」
―練習試合は
「一応、弱小なので球場が小さいところでもやったりしていて。高校は5本ぐらい打たせていただいたんですけど」
―公式戦はいつ以来か
「中学も打っていないです。中学0で、小学校ですね。リトルリーグ時代に公式戦でホームランを打っています。小学校以来の公式戦ホームランです」
―何年生か
「6年生ですかね。柵越えです。リトルリーグなので、70メートルぐらいなんですけど、バットが良かったので入りました」
―きょうは打った瞬間に行くと思ったか
「もちろん、はい。打った瞬間に行くと思わなかったらたぶん、走っていますね」

―長打を狙っていたか
「いや、真っすぐをしっかり振って、ボールに当てようとしか考えていなかったです。長打が出るタイプじゃないので、長打を狙って打てたら良いですけど、たまたまああいうふうに長打が出てくれて良かったです」
―郡司からのしっかり振れという言葉は、思い出していたか
「そうですね。キャンプからずっと言われてきたので。キャンプで最初にあいさつした時に、『バットをボールに当てにいきすぎてんじゃねーの?』みたいな感じで言われて、その紅白戦からしっかり振ろうと思って、ここまでずっと継続してきたことで、やっと1本出たのかなと」
―トレーニングで振る力は付いてきたか
「もちろん、大学時代よりも体重は増えていますし、自分の持ち味はどちらかというとバッティングよりかは守備なので、守備の動きを落とさずに、どれだけ除脂肪体重を増やせるかというのは、ファイターズに入ってからずっと続けてきたことです」
―どのぐらい増えたか
「除脂肪体重は、4キロぐらいですかね」
―打った後、郡司から言われたことは
「郡司さんは、『この後の打席でライト前打ったら本物だな』って。もちろん自分も、ホームラン打った後の打席って難しいなと思って。結果センターフライだったんですけど、ちょっと欲が出てセンターフライになったので、郡司さんに見透かされたかのようで(笑)。まあ、郡司さんは一応、慶応大学(出身)で敵なので…という話を、これはしろって言われました(笑)。郡司さんは敵なんですけど、今は味方で、こうやって先輩方、監督もそうですけど、コーチも含めていろんな方がアドバイスを送ってくださって、それをしっかり試しながらじゃないですけど、自分にしっかり取り込んでいけているのかなと思います」
四回2死一塁、2点本塁打を放った山県(右)=撮影・岩崎勝
―慶応からのアドバイスも、ちゃんと受け入れた
「もちろん、郡司さんは尊敬できる先輩なので、そこは大学の垣根なく。まあ、早稲田が優勝したので、いいかなと(笑)」
―優勝した早稲田の後輩にかっこいい姿を見せられた
「そうですね。きょう、試合はあんまり見られなかったですけど、自分が一番仲が良かった伊藤樹が、苦しみながらも完投したみたいなので、ラインだけ、よく頑張ったねって送らせていただいたんですけど、きょう自分がこんなホームランを打てるとか思っていなかったので、たまたま良いところを…あー、きょうはちょっと、たぶん見ていないですね、祝勝会に行ってますね(笑)」
―歓声はどうだったか
「やっぱりタイガースの応援はすごい声が大きくて、本当に震えるような応援を感じているんですけど、それに負けじとファイターズのファンの皆さんも声を出してくださっているので、大きな力になっているかなと思います」
―どんなことを考えて、ダイヤモンドを回ったか
「本当に幸せをかみしめながらというか、どんだけゆっくり走ったら良いんだろうという感じでしたかね」
(こっそり取材陣に紛れ込んだ郡司を見つけ)
「郡司さん、ちゃんと言っておきました」
(郡司)「言った? それだけ聞きに来た」(と言い残して満足げに帰宅)
四回2死一塁、2点本塁打を放ち、郡司に迎えられる山県(右)
―早稲田の伊藤とは、どう仲良かったか
「樹は、ずっと一緒にいたって感じですかね。練習が終わって、一緒に遊びに行ったりとか、オフの日も一緒に遊んだり、ご飯に連れて行ったり。ちょっと暇があったら、ご飯おごってーみたいな感じで、自分がおごるんですけど、そうやって基本、ずっと樹といましたね」
―気が合う後輩
「はい、もう本当に。樹も自分のことを秀と呼んでいますし、友達って感じですかね。今季6勝0敗で、優勝決定戦も勝ち投手。ちょっとおいしいところに連れて行ってあげたいなと思います」
―新庄監督は、タイミングをゆっくり取って、ポイントが前だと。工夫したところは
「交流戦が始まる前日のオフに、ボスからDMが来て、ゆっくりタイミングを取って、ポイントを前にしてという話を、常日頃から言われているんですけど、もう一回あらためて言っていただいて、『あしたはショートでいくよ』というふうに言っていただいたので。本当にボスも、自分がどうやったら打てるようになるかというのを、見てくださっているんだなと。きょうは練習中に、八木コーチからも、バッティングのお話を受けて、ボスも同じことを言っていて、自分はちょっと前に突っ込みがちなので、前に突っ込んじゃうから、前に突っ込むのをどれだけ抑えられるか、というのを練習からやってみてと言っていたので、練習でできたことがしっかり試合で(できた)。まだ、たまたまのアレなので、これがしっかり継続できるようにやっていけたら良いかなと思います」
四回2死一塁、2点本塁打を放ち、新庄監督に迎えられた山県(右)
―阪神は、小さい頃から東京ドームで見ていた相手。どうだったか
「もちろん燃えるところもありますけど、今はジャイアンツファンじゃなくて、一応ファイターズファンなので(笑)。小さい頃はジャイアンツファンだったんですけど、今はもう完全にファイターズファンになっちゃって、ジャイアンツの情報はあまり見られていないです」
―タイガースの印象は
「もう敵という感じで、でも本当にタイガースの選手を見ていて、憧れの選手、テレビで見ていた選手ばっかりなので、興奮しながら、それを抑えながらできているのが良いかなと思います」
