ルーキー山県秀 守備位置に就くときに行うルーティンに込められた「感謝の気持ち」
六回無死、左前打を放つ山県が塁上でガッツポーズ=撮影・小田岳史
■パ・リーグ7回戦 日本ハム0-1オリックス(5月5日、京セラドーム大阪)
日本ハムのドラフト5位・山県秀内野手(23)が「2番・二塁」で先発し、好投手・九里から六回にしぶとく安打をマークした。守備が自慢のルーキーが、プロ初安打を放った地で再び快音を響かせた。
もしや九里キラーの予感
4月18日のオリックス戦では、九里からプロ初安打を含む2安打を放っていた。1点を追う六回先頭で迎えた第3打席。1ストライクから変化球に食らいつき、三遊間を破った。「ヒット出たことはこれから自信につながりますし、そこはいいアプローチができたのかなって。あの打席に関しては思います」。
1、2打席目は簡単に打ち取られ…
同22日の楽天戦以来の安打が出たが、反省も忘れなかった。第1打席は空振り三振、第2打席は三飛。「どうしても1点が遠かったので、何とか点を取れるように工夫しながら打席の中でやっていたつもりなんですけど…。1、2打席目はピッチャーからしたら、『はい、ありがとうございました』みたいな感じの打ち取られた方だった。そこはこれから工夫しながら、自分がどうやったら相手にとって嫌な打者になるか、考えながらやっていきたいです」と言葉に力を込めた。
六回、先頭の山県が左前打で出塁=撮影・岩崎勝
【2000円お得! 道スポの年払いプラン】
きっかけは早大3年の不振時代
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
真面目な山県には「あれがないと不安になる」というルーティンがある。スタメンでも途中出場でも、初めて守備位置に就くとき、その場で帽子を取り、深々とお辞儀をする。始めたきっかけは、不振に陥った早大3年時。「大学時代に1度スタメンを外れて、野球をやらせてもらっている、スタメンで試合に出させてもらっているのは、当たり前じゃないことを再認識した。その時、打てないのもあったんですけど、エラーもあって気持ち的にも一回、区切って、というところがあった」。
両親の言葉を胸に刻み腰を90度に
家族の言葉も心に響いた。「両親から(試合に)出させてもらってるだけ有り難いんだから、敬意を(持て)と。そういうところから始めて、いまもこうやって(プロで)経験させてもらっている。野球をやらせていただいていることに感謝の気持ちで、礼をしています」。やるからには全力で。「軽々しくやっているのは、それはそれでおかしいじゃないですか」と、腰を90度に曲げ、深く頭を下げる。
ルーキーイヤーの今季は4月15日に1軍初昇格を果たし、シーズン序盤からさまざまな経験を積んでいる。「今後も(試合に)出させていただけることに感謝しながら、プレーできたらいいなと思います」。グラウンドに立てる喜びを噛みしめ、これからも〝感謝の儀式〟を続けていく。
