山県秀 後半戦でさらなる飛躍を 「自分の挑戦を怖がらずにやっていけたら」
守備練習をする山県=撮影・松本奈央
日本ハムの牛若丸 ここまで55試合に出場
ルーキーながら、堅実な守備で日本ハムに欠かせない戦力となっている山県秀内野手(23)。ここまでリーグ戦89試合中55試合に出場している若き守備職人が、前半戦の振り返り、優勝を争う後半戦への意気込みを語った。
4月15日の昇格からずっと1軍
9年ぶりのリーグ優勝&日本一を目指して首位を走る日本ハムにとって、前半戦で得たプラス要素の一つが、山県の活躍だ。4月15日に自身初の1軍昇格を果たすと、そこから一度も登録を抹消されることなく、パ・リーグの舞台でプレーを続けている。そんな日々を「毎日、刺激的なことばかりです。新しいこと、自分の勉強になることばかりでした」と振り返る。
「こういう前半戦というのは、全く想像できていなかったので。1軍でこうやってたくさん経験させていただいたことを、しっかりもう一回、復習して、また後半、気持ちを新たにやっていけたら。良い結果も出ましたし、悪い結果もあったので、そこの結果が出ていることが、すごくありがたかった前半戦でした」

確実に力強く成長も忘れられないミス
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4月18日のオリックス戦でプロ初安打をマーク。5月13日のオリックス戦でプロ初打点を挙げて、初めてお立ち台に立った。6月4日の阪神戦ではプロ初ホームランを左翼スタンドへと放り込んだ。
着実にステップアップしてきた前半戦だったが、印象に残った試合には「初エラーと初スクイズ失敗が一番、印象には残っています」と5月9日の楽天戦を挙げた。
今季〝チーム1号〟をマークも苦悩の日々
「それこそバントですね。ずっと苦しんで」。序盤戦でなかなか犠打が決まらなかった日本ハムにおいて、4月29日のソフトバンク戦で〝今季1号〟を決めたのは山県だった。「1個目は、自分が(バント)フライを上げて決まったんですけど、チーム初が決まって、そこから自分がバントできなくて、ずっと苦しんでいて」。5月9日の楽天戦では1死一、三塁の場面でセーフティスクイズを失敗するなど、決められないシーンを何度も繰り返した。
6月4日の阪神戦、四回2死一塁で山県が2点本塁打を放ち、ガッツポーズ
「前半戦のハイライト」は3つ目の犠打
悩み苦しむ中で、一筋の光明を見いだしたのが、7月14日の西武戦だ。五回無死一塁の場面できっちりと今季3個目の犠打を決めると、直後に水谷が決勝2ラン。チームの勝利に一役買った。
「最後の最後で1個できたというのは、前半戦のハイライトと言っていいんじゃないかなと。しっかりバントが1個決まったというのは、自分の中では大きな収穫だったかなと思います」。
激しさを増すV争いに感じる充実
優勝を懸けて、さらに戦いが激化する後半戦。そんな環境の中で戦えていることを意気に感じている。
「首位争いを経験させていただいているのは、本当に幸せなこと。自分は環境に恵まれて、本当に幸せ。ありがたいと思いながら、毎日を過ごしています」

甘えを排除し後半戦へ
だが、そんな山県の心理の中には、ルーキーであることへの甘えは一切ない。「『1年目だから』というのを言い訳に使うんじゃなくて、自分がどれだけ挑戦できるかというところに使っていけたら、成長になるのかなと思う。自分の挑戦を怖がらずにやっていけたらいいかなと思います」
挑戦の先に待ち受けているもの。それが自身のさらなる活躍であり、チームの優勝にもつながるということを信じて、後半戦へと身を投じていく。