山県秀 攻守で存在感 常に変わらぬ謙虚な姿勢 2軍調整中も6時起きで朝散歩
八回1死、ロッテ・藤岡の打球を好捕した山県=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ18回戦 日本ハム1-2ロッテ(9月3日、ZOZOマリンスタジアム)
ルーキーがまたも輝きを放った
日本ハムの山県秀内野手(23)が「8番・遊撃」でフル出場。1点を追う七回に三塁線を破る二塁打を放ち、守ってもファインプレーを連発し、攻守で存在感を示した。
【ファイターズの最新記事はコチラ】
積極打法でツーベース
前日2日のロッテ戦では途中出場し、適時打を含む2安打をマーク。そしてこの日は3試合ぶりの先発起用に結果で応えてみせた。
七回2死一塁からロッテ先発・種市の初球を捉えて三塁ライン際へ。一走の清宮が本塁タッチアウトとなり、同点打とはならなかったが「積極的に打ちにいった結果、1本出たので良かったかなと思います。甘く来たらというか、積極的に振っていこうという中で、たまたまゾーンにフォークが来たので、それがたまたま引っかかって、三塁線に抜けていきました」
七回2死一塁、二塁打を放った山県(右)
得意の守備では美技を連発
持ち前の守備でも見せ場をつくった。七回に先頭・小川の打球をダイビングキャッチ。1死三塁とピンチが広がった場面では、西川の遊ゴロを前に出て処理し、三走の本塁生還を阻止した。八回にも中堅に抜けそうな当たりをジャンプして好捕した。
「自分の仕事というか、飛んできた打球を全部アウトにするつもりで守備をやっているので、本当にアウトにできて良かった。それだけです」と汗を拭った。
常に携える向上心 「どうやったらもっと良くなるか」
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
アウトにしたい。その一心だった。
「技術とかいうより、反応できたというだけだと思う。捕り方は汚かったりしましたけど、アウトにすることが最終目標なので、そこは良かったかなと思うと同時に、しっかり試合後、谷内(内野守備走塁)コーチと反省して、どうやったらもっと良くなるかなというのを考えながらやっています」
七回、ロッテ・小川の打球を好捕した山県
名手に師事 試合後の〝反省会〟は日課
ここまで守備で何度もチームを救っているが、おごりはない。試合後は、担当の谷内コーチと〝反省会〟をするのが日課だ。
「自分がちょっとでも、もちろんアウトにできればオーケーなので良いんですけど、確率をどうやって高めていくかという話なので。100%に近づけていくためにどうやって守備をやっていくか、自分がもうちょっとこうやってできたかなと思ったら、すぐ谷内コーチに、ここどうですかと聞くようにしています」と明かす。
散歩リーダーを拝命
ルーキーイヤーの今季は4月15日に今季初昇格し、1軍の舞台でプレー。先月中旬に2週間ほど2軍での再調整を命じられた時も、その謙虚な姿勢は変わらなかった。
鎌ケ谷の勇翔寮で暮らすルーキーたちは毎朝、合同で散歩を行っている。出発は朝の6時15分。雨の日は室内練習場で行われ、そのウオーキングは「修行」と称されている。山県は新人選手の生活面を指導する庄司選手教育ディレクターから〝散歩リーダー〟に指名され、この日先発したドラフト1位・柴田ら同期たちを引っ張る役目を担ってきた。
7月、エスコンでの練習前にあいさつを交わす山県(左)と庄司ディレクター
庄司Dは大感激 「すごいところですね」
8月に2軍降格した際には、4カ月ぶりに参加。体が〝ナイター仕様〟になっているにもかかわわらず、山県は6時過ぎには集合場所に姿を現した。
庄司ディレクターは「疲れて帰ってきたのに、(その疲れを)見せなかったのが秀のすごいところですね。見せないで、後輩よりも早く来るし」と大感激。本人も「鎌ケ谷だと自然と6時に目が覚めるんです」と笑顔を見せていた。
周囲を魅了する人柄
新人たちが合同で行う朝散歩は、栗山CBOの「朝、一発目に自分が決めた目標を守ってほしい」というメッセージも込められている。
何事にも全力を尽くし、最後までやり抜く。そんな山県の人柄が周囲の人たちの心も動かしている。