上原健太 パーフェクトリリーフで前回登板のリベンジ 逆転優勝へ「11連投するぐらいの気持ちで」
八回、2番手で登板した上原=撮影・小田岳史
■パ・リーグ24回戦 日本ハム2-3楽天(9月17日、楽天モバイルパーク宮城)
八回に2番手登板 1番からを3人でピシャリ
日本ハムの上原健太投手(31)が同点に追い付いた直後の八回に2番手として登板。1番から始まった楽天打線をパーフェクトリリーフで封じ込め、今季初失点を喫した前回登板のリベンジを果たした。
残り11試合となったレギュラーシーズン。逆転優勝のために、プロ10年目左腕はフル回転していくことを誓った。
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エースの心意気に触れて
先発の伊藤が、左足に打球を当てるアクシデントを乗り越えて7回2失点と試合をつくった。その後を受けてマウンドに上がった上原は、伊藤の状態を心配しながらも、その心意気を強く受け止めていた。
「本当は、もう1イニング早く大海は代わっているはずだったんですけど、おそらく彼の志願で、もう1イニング行ったと思うんです。そんなに無理しなくていいよと思いながら準備していたんですけど、そういう気持ちの強いところが大海の良いところだって僕らにも伝わってきますし、そういうところがさすがチームのエースだなと。それを台無しにするわけにはいかないので、そういう気持ちは持ちつつ、あとは冷静に、いつも通り投げていこうと思っていました」

手応え十分のピッチング
熱い心と、冷静な頭を携えての登板。先頭打者から見逃し三振を奪うと、後続も出塁させることなく、わずか12球で3者凡退に斬って取った。
「結構、今シーズンの中でも感覚は良い方だったかなと。ちょっと足を滑らしちゃって、1球すっぽ抜けましたけど、それ以外は割と良かったんじゃないかなと。変わらずに続けていけたらなと思います」と十分な手応えを感じた。
途絶えた連続無失点 「早く投げさせてくれ」
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7月上旬に1軍昇格を果たして以来、中継ぎとしてチームの屋台骨を支え、21試合連続無失点リリーフを果たした。2カ月以上にわたって防御率0.00をキープしてきていたが、2点リードの九回に登板した13日の西武戦では、3安打2四死球の内容で2失点を喫し、ついに連続無失点がストップした。
中3日で登板したこの日の試合。期する強い思いがあった。「もう、とにかく早く投げさせてくれ、という気持ちしかなかったです。ここまでの3日が1週間ぐらいに感じましたね。本当に早く投げたくて、早くリベンジがしたくて、久しぶりにこんなにうずうずしたというか」

いつも通りの投球で再出発
待ち望んでいたリベンジ登板。失敗を繰り返すことへの恐怖心は一切、感じなかった。
「マウンドに上がる時の怖さもなかったですし、本当にいつも通りにマウンドに上がることができて。(前の試合で)失点したことに関しては、あまり気にしていなかったというのが、自分の本心だったんだろうなと思えました」。嫌な記憶を払拭してみせた。
決して諦めない逆転V
チームは痛恨のサヨナラ負けを喫し、首位・ソフトバンクとのゲーム差は「3.5」に広がった。残り11試合で逆転優勝を果たすためには、勝ち続けていくしか道はない。
「もう1試合も落とせないですし、落としてはいけないので。みんな同じ気持ちでいると思うので、本当に中継ぎは11連投するぐらいの気持ちでいかなければいけないと思います。チームも11連勝するつもりでやらなければいけない。そういうつもりであしたから戦っていきたい」。当日移動という厳しいコンディションで迎える首位との直接対決だが、覚悟を決めた上原ら中継ぎ陣が最後まで力強い投球を披露し続け、逆転優勝へのシナリオを書き記していく。
八回を無失点に抑えた上原