達孝太 「たいした賞じゃないやろ(笑)」から心境が変化。新人王を欲したわけはー
グラウンド外周を走る達=撮影・桜田史宏
■秋季キャンプ(11月5日、エスコンフィールド北海道)
有力候補の4年目右腕
日本ハムの達孝太投手(21)が資格を有する新人王の価値について持論を語った。
今季は先発ローテーションに入り、8勝を挙げるなど飛躍を遂げた。シーズン当初は全く頭になかったが、心境は変化。台頭した若手に贈られる賞を欲するようになったわけは―。
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各リーグからたった1人の栄誉
春先にさかのぼる。高卒4年目右腕は5月、満を持して1軍昇格した。新人王には無頓着で「最初は新人王の仕組みをあまり知らなくて。そんなんあるんだ、みたいな。よく分かっていなかったです。ルーキーだけのものかと思っていました」と笑って振り返る。
最優秀防御率、最多賞などの個人タイトルや沢村賞などは、年齢やキャリアに関係なく、目指すことができる。対して新人王は1軍経験の少ない若手限定。自らが対象になると言われても、ピンと来ていなかった。ある意味で、重みを誤認していた。「(受賞資格があると)シーズン序盤に分かって。その時は全然なんとも思わなかったです。たいした賞じゃないやろと(笑)。でもよくよく周りの話を聞いてみたら、(各リーグから)1人しか選ばれないと。これは、なかなかすごいんじゃないかと思い直しました」

ライバルも強力な面々
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受賞者は、記者投票(5年以上のNPB取材経験が必須)によって決まる。パ・リーグはほかに西川(ロッテ)、渡部(西武)、宗山(楽天)らが候補に挙がる。投手と野手の成績比較が難しい側面もある。
達は8勝2敗、防御率2.09。3完投(完封1を含む)も光った。ただ、勝ち星はコントロールできない。ただ、あと1勝できていれば―と後ろ髪を引かれることはなく「運要素があって良くないですか。勝ち星は本当に運ですけど、日本の野球はそこも魅力があるじゃないですか」と受け止め、最終結果を楽しみにしている。

人事は尽くした あとは天命を待つのみ
将来の目標としてメジャーのサイ・ヤング賞を掲げている。規模は全く異なるが、これも現地の記者投票で選出される。成績が拮抗していた場合、印象を含めて主観が入り込むが「1年間、野球を見てきた人たちが投票するわけなので。一番近くで見ているじゃないですか。その人たちが選ぶということに価値はあると思います。アメリカのサイ・ヤングも記者投票ですけど、(基準になる)数値はあるじゃないですか。大きくは、ずれないですよね」と、にこやかに言葉をつないだ。
新人王は今月26日のNPBアワードで発表される。示した実力と客観的な数値はどう評価されるのか。自らの現在地を知る一つの指標になるのかもしれない。
