北照エース・島田爽介が2戦連続完封でセンバツ〝当確〟 甲子園準V経験した姉のお守り御利益だ【秋季全道大会】
九回2死、最後の打者を打ち取り、喜びを爆発させる北照の島田=撮影・桜田史宏
■秋季全道高校野球最終日(10月20日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
▽決勝 北照2-0白樺

初の九回完封で選抜甲子園を確実に
新チームでは控え投手から始まった北照のエース島田爽介投手(2年)。そのサクセスストーリー第一幕は、公式戦初の九回完封試合で13年ぶりの選抜甲子園出場を確実にするという最高のフィナーレで締めた。「いやもう全然、想像していなかった。本当に弱かったので。練習試合も勝てなかったので、支部予選で負けちゃうぐらいだったので、ここまでとは想像していなかったです」。この快進撃には、投げる度に成長を遂げた島田の存在抜きには語れない。
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500球の球数制限は28球残し
19日の準決勝・旭川実業戦まで3試合連続完投で345球を投げ、1週間で500球の球数制限まで残り155球で決勝を迎えた。「155球あるので、あと先考えずに最初から飛ばしていく気持ちで投げてました」。終盤の八回に1死二塁のピンチを迎えたが、後続をシャットアウト。九回は3者凡退に打ち取り、28球を残してゲームセット。「うれしかった。結構、疲れました」。表彰式を終えると緊張から解放され、どっと疲れが襲ってきた。

応援に来た東京の両親への恩返し
東京都出身。親元を離れての北海道暮らし。家族の応援がなければ、ここまでたどり着くことはできなかった。「両親は自分が結果の出ない時も、結果が出ている時も、変わらず声を掛けてくれたり。寮生活で、すごいお金が掛かってしまうけど、自分のためにいっぱい投資してくれた。必ず甲子園に行くからって言ったら、頼んだよって言って、ずっと応援してくれていたので、本当に感謝しかない」。この日、両親がスタンドに駆けつけた前で、見事に優勝で恩返しした。
姉がマネジャーで甲子園準Vを経験
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〝心願成就〟だ。姉の英衣さん(中央学院大1年)は、昨夏の甲子園で準優勝した関東第一のマネジャーだった。入学直前の昨春の選抜甲子園は家族とともに応援に行った。「ずっとそばにいてくれるお姉ちゃん。大会前になると『頑張って』とか『見てるから』『応援してるね』」といつも気にとめてくれる。さらに「甲子園は本当、誰もが憧れるような夢の舞台だし、絶対甲子園に出て悪いことはない」と背中を押してくれた。
北照の島田は、姉からもらったお守りを肌身離さず戦った
「頼んだぞ、自信持っていけ」
背番号10で迎えた今大会支部予選の開幕直前となった9月上旬、姉が高校時代に肌身離さず身につけていたお守りが寮に届いた。地元・葛飾区亀有の香取神社の願い事が叶う御利益があるというお守りで、「頼んだぞ、自信持っていけ」のメッセージと共に送られてきた。それから「寝るときはずっと隣に置いて、バス移動はずっと右手に持って、試合中はずっとかばんに付けてます」。今度は島田が、御利益たっぷりのお守りを再び甲子園まで持って行く。
神宮のマウンドは過去に経験済み
北海道地区の代表として明治神宮大会(11月13日開幕)に出場する。試合が行われる神宮球場には5年ぶりの凱旋だ。小学生時代は2020年のヤクルトジュニアに選ばれ、NPB12球団ジュニアトーナメントでは4試合全てで先発し、2年連続日本一の原動力となった。今回の全道大会出場を決めたときには、元ヤクルトの選手で当時の指揮官だった度会博文さん(53)から「応援しているから頑張ってこい、戻ってこい」とエールが届いていた。
その時以来となる明治神宮のマウンドは「もう投げやすいですね」と振り返る。相手となるのは、北信越代表の帝京長岡と四国代表の勝者。「北海道代表として恥ずかしくないピッチングをしていきたい。先発完投は分からないけど、後ろに良いピッチャーがいっぱいいるので、初回から自分のマックスを出して抑えていきたい」。かつての〝ホーム〟で行われる明治神宮大会でも、持ち味のリズムの良い投球で勝利に導く。
呼吸を整える北照の島田(左)
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