北照が13年ぶりの決勝へ 長谷川世和が決勝打 代打から成り上がった4番が全道制覇へ導く【秋季全道大会】
一回2死一塁、北照の長谷川が先制の適時二塁打を放つ=撮影・桜田史宏
■秋季全道高校野球第6日(10月19日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
▽準決勝 北照7-0旭川実業
※七回コールドゲーム
一回の第1打席で先制タイムリー
這い上がった4番が、全道の頂に迫っている。旭川実業との準決勝、一回2死一塁。北照の長谷川世和(せな)内野手(2年)が1ストライクからのカーブを左翼線に運んだ。一走の手代森輝斗主将(2年)が長駆生還を果たし、いきなり先制点をもたらした。
「きのうのバッティング練習ですごく調子が良かったので、迷わずに行こうと思い切って行きました。(タイミングを)抜かれたんですけど、うまく拾えて良かったです」
今大会、北海との初戦は3安打と結果を残した。しかし駒大苫小牧との準々決勝は快音を響かせられなかっただけに、この試合に懸ける思いは自ずと強かった。
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チームのために犠打でも勝利に貢献
六回は無死一塁から犠打を決め、続く7番・沢田碧生内野手(2年)の適時打をお膳立て。6点リードの七回には1死満塁から中堅への犠飛を放ち、勝負を決定付けた。
七回1死満塁、北照の4番・長谷川がセンターに犠飛を放つ
「場面に応じた打撃。きょうの犠牲フライもそうなんですけど、自分のできることをするようにしています」という言葉通りの活躍で、主軸の仕事を全うした。
甲子園の決勝で小学校の先輩が活躍 のちにプロ入りした先輩のように…
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前回優勝時の2012年以来、13年ぶりに進出した20日の決勝戦に勝つと、センバツ甲子園の切符をほぼ確実にする。「(甲子園は)小さい頃からの憧れ。自分もプレーしてみたい」。特に16年の夏の甲子園、北海-作新学院の決勝戦が記憶に刻まれている。
惜しくも北海は敗れてしまったが、「センターが小学校の先輩で、その試合が印象にあります」。後に北海学園大に進んで巨人に入団した鈴木大和のプレーが脳裏に焼き付いている。
練習参加時の雰囲気が良くて即決
その聖地を目指すために、北照へと進学。2022年、中学2年生だった長谷川は、秋季全道大会の北照-駒大苫小牧を観戦したことがきっかけで、北照に興味を抱いた。そして翌年、練習体験会に参加し「チームの雰囲気が良かった」。明るく声を掛け合った練習や、道具を丁寧に扱う姿勢を見て即決した。
そして今秋、長谷川はようやく初のベンチ入りを果たした。いきなり4番の重責を担っている。新チームスタート時はレギュラーではなく、Bチームだった。しかし、Aチームの練習試合の際に、代打起用に応えた安打を放つと、レギュラーへの道が開けた。

定位置を奪取して4番の自覚
代打安打をきっかけに、持ち前の打撃で自らのポジションを確立していった。「4番の自覚を持って、打撃でチームを引っ張れるように頑張りたい」。初めてレギュラーの座を射止めた背番号3が、全道王者の4番に成り上がる。
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